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第1章 調査研究の概要

 

1.1 調査研究の目的

 

九州(山口県西部を含む…以下同じ)・沖縄地区の中小造船業・舶用工業は、特定の地域に集積しているという特性から当該地域の基幹産業として地域経済社会に与える影響も多大であり、その発展にも重要な役割を果たし雇用の確保ならびに技術・技能の維持向上においても大きな貢献をしてきた。当該地区の造船労働人口全国シェアは増加の傾向にあり今後とも九州・沖縄地区中小造船業・舶用工業の役割はますます重要性を増してくるものと思われる。

しかしながら、これら中小造船業・舶用工業を取り巻く環境は、構造的な景気の低迷、規制緩和による金融機関の動揺、国内輸送構造の変革、内航船の船腹調整制度の見直し、漁業規制の強化、国際競争の激化等々、これらが複合的に影響しあってとりわけ内航船舶の造修工事の著しい減少をまねき、極めて厳しい状況になっている。さらに労働者の高齢化、熟練労働者の減少、若手労働者の不足についても一層深刻な状況にある。

将来を見通すことが困難なこのような状況下においては、九州・沖縄地区の中小、造船業・舶用工業がおかれている事業環境の地域特性や企業間の有機的なつながりを生かすことにより、さらに技術の高度化・生産の効率化を図るとともに新たな市場の開拓と需要の創出をおこなっていかねばならない。

本調査研究はこのような観点にたち、10年後を視野においた中期的なビジョンを策定し、同地区の中小造船業・舶用工業が21世紀において魅力ある産業として地域経済社会の発展に資することを目的として実施されたものである。

 

1.2 調査研究の体制と方法

 

1.2.1 調査研究の体制

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