日本財団 図書館


3 まとめ

(1) 試験方法

試験の結果、ふるいにより試験油等を持ち上げると、ゲル化していない油は、静置開始の直後ではふるいの網目を通過しないものの、その後静置を続けると、やがてふるいの網目を通過して、容器1に入り込む状況が観察された(写真2-1-4参照)。試験油の粘度が高い場合は、油が網目に付着して多少の油がふるいに残ることから、ゲル化していない油として抽出される油分の量が実際の値より低くなり、その分ゲル化率が高い値を示す結果となるが、この方法によれば、高粘度の油についてのゲル化率の計測が可能である。

(2) ゲル化性能

試験結果を見ると、500cStの試験油に対し粉末油ゲル化剤を20%散布した場合では、いずれの供試体でも90%以上のゲル化率を示しており、10%の散布とした場合でも、供試体Cを除いては80%以上のゲル化率を示している。また、3,000cStの試験油では、20%の散布とした場合のゲル化率は、供試体Aと供試体Bでは60%弱から70%弱、供試体Cでは40%程度となっている。また、10%の散布とした場合では、いずれもゲル化率は20%〜30%である。

今回行った試験の粘度範囲では、粉末油ゲル化剤は、500cSt以下の粘度の油には有効であるが、3,000cSt以上の粘度の油では、油面の一部をゲル化するだけで全量をゲル化するには至っておらず、比較的粘度の低い油に対して有効な資材であると考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION