4) ブーム型(表1-2-8、図1-2-13〜図1-2-16、写真1-2-83〜写真1-2-106)
ブーム型は、ピロー型と同じ材質で単に形状が異なるのみであることから吸油に関する特徴はピロー型と同じ傾向を示すが、吸油量はピロー型に比較し少ない。この理由として、供試体の油に接する表面積が、ピロー型に比べブーム型の方が小さいからであると考えられる。
飽和状況については各供試体とも静置時間15分では飽和せず、2,312cStでは供試体15及び供試体16が静置時間24時間で飽和していたが、供試体17及び供試体18は未飽和であった。9,032cStでは供試体16が飽和していたが、他の3種は未飽和であった。
吸油試験中の供試体の挙動については、供試体16が各粘度の静置時間24時間において油中に完全に没したほか、供試体15が2,312cStの静置時間24時間で没していた。これら油中に没した供試体についてはさらに調査の必要が認められ、天然海水に供試油を投入し、その供試油の上に供試体を静置し、以後の挙動について調査した。結果については後述する。
静置時間が15分の場合、全供試体とも粘度が高くなると吸油量が減少するという傾向を示しているが、供試体15を除き減少量は僅かなものであり、この程度の粘度におけるこの静置時間では、供試油が吸着材の本体へ吸油されにくく、吸着材本体を包み込んでいる袋に供試油が付着していることが理解される。
静置時間24時間では、供試体16及び供試体17の吸油量の変化はほとんど無いが、残り2つの供試体は粘度が高くなると約50%ほど吸油量が減少した。