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また、本性能試験では同機種により平水及び波浪中並びに試験油を変え連続的に性能試験を実施したことから、排水ホース内の油水の取扱いに問題を生じ、同じ条件での性能評価とはならないという結果となった。しかしながら、本性能試験は油回収に関する性能値を求めることが主な目的ではなく、粘度、波浪状況等に対する回収の特性を把握するためのものであり、その意味からみて本性能試験方法により油の回収状況、ポンプの移送状況、運転状況等について各油回収装置の特性に関するデータを得ることができた。この結果、本性能試験方法を用いることにより、各粘度及び各波浪中における油回収装置の特性を調査することが十分に可能であることの知見が得られた。しかし、次のような課題もあり、今年度に引き続き次年度においてさらに調査研究することとした。

・ 油層厚の測定

・ 開水面の発生の抑制

なお、本性能試験で得られた油回収効率や時間当たりの回収能力等については、特定条件により求められた性能値である。実海域では様々な気象・海象条件が複合しており、この性能値で各油回収装置を評価することはできない。この考え方は、本年度に実施した海外調査において訪問した、油回収装置、オイルフェンス等の油防除資機材のテストで世界的に有名な米国のOHMSETT(Oil & Hazardous Materials Simulated Environmental Test Tank)においても同様であった。

以上、今年度実施した試験結果から各供試体の特性を表1-1-5にまとめた。

 

 

 

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