4.1.2 船舶情報システムの提案
(1) 船舶情報システムの機能
提案する情報システム全体の機能を、図4-2に示す。情報システムは船舶情報システム、陸上情報システムおよび通信システムからなる。
船舶情報システムの機能(図4-2の左下)は、システムの役割を満たす次の五つから構成される。
・ 船舶機能
・ 情報綜合化機能
・ データベース機能
・ ユーザインタフェース機能
・ 通信機能
各機能は船内LANで結ばれており、船内のデータベースはデータベース機能と直結されている。
1] 船舶機能
船舶機能は、次の三つのサブ機能から構成される。
・ 情報収集機能
・ 状況認識機能
・ 異常判断機能
情報収集機能は、船体や機関などに取り付けられた各種センサーから航行環境や自船の状態に関する情報を収集する。センサーからのデータ収集には、スキャニング機能、割込み機能、センサーの自己診断機能およびデータの自己修復機能が要求される。
状況認識機能は、自船が置かれている航行状況の認識を行う。具体的には、
・ 自船位置
・ 船体の状態
・ 貨物状態
・ 機関の状態
・ 制御状態
などの状況を認識する。
異常判断機能は自船の安全に対する判断を行う。具体的には、
・ 衝突
・ 針路
・ 機関制御
などに関する異常の有無についての判断を行う。
2] 情報綜合化機能
情報綜合化機能は、次の五つのサブ機能から構成される。
・ 情報収集機能
・ 環境認識機能