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そして、これら直交面の外板面との交線を基線とするのである。そこにできた縦基線は中央フレーム線であり、横基線は(ブロック)見透線と呼ばれる。

この縦横基線を押さえて、各種(シーム、フレーム、カーリングなど)曲線の外板上の位置をガース実長で拾っておけば、ブロック曲面に現図形状が再現できるのである。

板継仕上げマーキンの手順は次の通り:-

1)定盤治具上に各外板を、金取マーキンのフレーム位置を合わせながら、配材。

2)シーム溶接。

3)板継された金取マーキンの中央フレーム線上に、(巾)仕上げマーキン実長を当てがって、縦基線の両端と横基線位置を当たる。

4)縦基線両端位置からタスキ(空間距離)実長を振って、横基線の両端を当たる。

5)横基線両端と、3)で当たった横基線位置の3点を押さえて、横基線ガース実長を横たえ、縦横基線の交点(中央点)を当たる。

6)当たった縦横基線端点と中央点を見透ながら、曲面上の基線を決めて行く。

その要領を[図5.1.9 見透による曲面上の位置出し]に示す。

 

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図5.1.9 見透による曲面上の位置出し

 

両端点を結ぶ弦、中央点と端点を結ぶタスキ、それぞれに糸を張る。糸で作られた3角形は空間の面を表現する。弦とタスキが重なって一本の糸に見えるように視点を定め、その見透の延長に外板上の点を当たれば、その点は全て基線上の点になる。

7)見透点を連ねて、縦横基線を確定する。

8)基線を押さえて、ガース実長で当たりを取り、各種(切断、取付)曲線を仕上げマーキンする。

この場合、定盤治具と仕上げマーキン基線の設定には相関がなく、基線面は定盤面に傾斜する。[図5.1.8 中央フレーム基準マーキン]の下図に見るように、定盤面に対して、中央フレーム面はθ(または補角=δ)、見透(フレーム直交)面はβ(または補角=γ)の傾斜度となる。

 

 

 

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