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3.1.2 紙型の作法

普通に使うマーキン用型には紙型、それも裏の透けるフイルム型が、もっとも便利である。この型材でも精度上の確認が、選定にあたって重要で、ロールから巻き出した直後と時間をおいた後の寸法変化は、キッチリ調べておきたい。変化が安定するまで一定時間かかるようであれば、その時間以上風露してから型に使うようにする。

 

紙型の作成法にも木型と同じく「当り付け」と「沿い書き」があり、「当り付け」は、現図で「穴抜き」か、マーキンで「ポンチ打」か…に分かれる。

その要領を[図3.1.6 紙型によるマーキン]に示す。表現内容は[図3.1.5 木型によるマーキン]と同じものである。

●「沿い書き」は、紙型をマーキン形状に合わせて鋏できっておく。木型のように鋸引きしたり削ったりしなくてよいから、作業は楽で簡単である。マーキンでは、型縁に沿って墨差を走らせるのだから、紙型厚があまり薄いと描きにくい。

●「ポンチ打ち」の方は、型内容を描いただけでマーキンに渡すやり方である。マーキンで「沿い書き」の鋏切りをしてください…ではなく、尖頭ポンチで必要点の「当り付け」をしてください…なのである。一度使った型には多くのポンチ穴跡が明く。

●「穴抜き」は、初めから「当り付け」マーキンするよう、所要の点に開孔を設けておくやり方である。現図からの型描きは「ポンチ打ち」と同じだが、穴の径が抜かれる分だけ線は延長し、能書は避けておく。穴抜きは、型完成後に開孔位置に金床(木型の釘裏打ち用を利用)を敷き、穴明けポンチでパンチするのである。

 

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図3.1.6 紙型によるマーキン

 

3.1.3 合せ型、一部型、巻付型

通常、型は部材と1対1に作られる。兼用型では複数部材を一つの型に収めるが、それらの型が、完成木型として一体だと大きすぎたり長すぎたり取扱いや保管に不便があるときや、紙型材料の幅の限度をこえるときなどは、適当な大きさに分割している。

 

 

 

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