2.4 マーキン面と舷の表現
型定規を作成するため参照する情報は、図面と現図であるが、それぞれ片舷が描かれており、同じ向きであったり逆向きであったり、必ずしも参照したままを引き写すことはできない。まず、どのような部材であるか。…を頭に入れて、それから型定規を、どう作成するか…原寸情報の表現を考えることになる。
2.4.1 マーキン面の選定
考慮する項目は、曲げ面の上下、取付線の裏回し、反転工程である。これらを総合的に比較して、どちらの面をマーキン面に選べば、部材関連の仕事が最少になるか…で判定する。通常は、
1)取付部材の多い面
2)上曲げとなる面
の優先順で決まる。
両面に取付線マーキンが必要な場合、どちらもマーキン面に表示し、裏面へは、表面にある線を端位置で当たって回しておき、反転した後に裏面に再現マーキンをする。取付線だけであれば、部材両端まで線を延長しておいて、両端点で裏回しするだけですむが、裏付き部材が二重板のように形状マーキンが必要であったり、両端に達しないBKT.などで「止まり」位置や「合マーク」の付加が必要であれば、裏マーキン用一部型・補助定規など…なんらかの手段を講じなければならない。表マーキンは、切断定盤でまとめて専門的定常的に行えるが、裏マーキンは組立工程での反転を伴う特例の準備作業として行わざるを得ず、簡単であってほしい。また回転の早い小組立工程では、そもそもマーキン作業はナシとしたい。よしんば裏取付を次工程送りとしても…である。
したがって、このような場合を考え併せると「1)取付部材の多い面」というより「1)裏マーキンが簡単になる面」と読み替えるのがよいかもしれない。
裏回し指示の例を[図2.3.22 ウラ取付]に示す。表・裏の取付線が、同じモールドラインで接近する(Min.<3mm)ときは、図のように仮モールドに立て替えるとよい。精度を重んじて「取付線+板逃」の表示を逆用するのである。
優先度2)の「上曲げとなる面」というのも「曲型当て位置の指示面、プレス曲での押し面」と言い換えるのが、正確な表現である。