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精度上、やはり定規で与える形状位置の方が正確で、型合わせ誤差も入らないからである。

なお図に一点鎖線で示したように、部材上辺が直線形状であれば、この辺が連直線の役割を兼用できるから、一部型内に下辺延長の連直線は要らない。

●板合わせ用

板継する部材、図例では1A+1B合わせに、やはりマーキン用と同じ要領の連直線を1B側に描いておいて、1Aの下辺直線の延長に位置させる。一点鎖線形状だったら、連直線不要の事情も同じである。

この図例形状には当てはまらないが、型マーキンとするとき、型を二つに分けて作成することがある。例えば、木型にして一体型では取り扱いに大きすぎる、一部の型だけ個別に作れば主体の型は兼用できる…などの場合である。このときは分割型を、この板合わせ用と類似要領の連直線にして型合わせとしている。

 

3)艤装・塗装の参照用、シップライト搭載位置決め用の基線

他工程からの要請により船殻ブロックにマーキンしておく基準線類で、ほとんど船体基準線の一部が援用されるが、ブロック反転後のマーキン裏回しであることが多い。裏マーキンなら、その線に「ウラ」と能書を入れておく。曲り外板ブロックの外板面裏回しならば、四周シーム・バットを押えた専用マーキン定規作成の必要がある。

 

4)船体の方向表現と表示原則

船体基準線に併せて、基本となる基準に船の東西南北・天地に相当する方向がある。これを、便宜上で船体「指標」と総称しよう。「この型には指標が多すぎる」「定規に指標の記入が抜けている」などと使う用語としてである。指標の、それぞれの方向の呼び方や記号には、地域や造船所にての決まりがあり、[図2.3.18 船の指標]に、その例を示す。羅列して見ると、

長さ方向:-

●船首>首>表>前:FW(フォアワード)

●船尾>艦>尾>友>後:AW(アフトワード)

左右方向:-

●左舷>左:P(ポートサイド)

●右舷>右:S(スターボードサイド)

幅方向:-

●中心側>中>内:IN(インボードサイド)

 

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図2.3.18 船の指標

 

 

 

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