ちなみに、ガス溶断が切断手段として登場した初期、なぜ切巾が問題とされなかったのであろうか。
当時、「巾裁ち」はシャリング、そしてエッジプレーナで引っ掻くのが、主流。
その他がガス溶断に移ったが、まだ型用フイルムのない時代、木型に墨差しを沿わせてマーキンすると、ひとりでに切巾分ほど(+)になったからではないだろうか。
もっとも、その頃の精度意識が貧しかったのも確かである。
2.1.2 開孔
構造部材には、各種の開孔がある。[図2.1.6 開孔と表示]参照。
大別すると:-
1)部材内部にある開孔
MH:マンホール、LH:
軽め孔(ライトニングホール)
2)外周沿いにある開孔
AH:空気孔(エァホール)、
DH:水抜孔(ドレンホール)
3)外周沿いにある「半」開孔
スロット類、スキャロップ類になる。「半」としたのは、完全な開孔でなく、外周の一部をなすからである。
これらの開孔形状は、各造船所にて標準化され、治具マーキンか治具切断、または型倣い切断とされることが多い。この項では、スキャロップ類についてのみ説明し、他は後述の2.1.13半自動切断の項に譲ることにする。
演習題:-
こんな半開孔のような紛らわしい取り扱いとせず、NC切断トーチが走るように外周そのものとしたほうが判りやすいのでは?…利点/欠点を比較せよ。
スキャロップの種類と表示要領:-
オープン・タイプ:-
● (半円)スキャロップ:板継溶接線を通すトンネル形状孔
●コーナースキャロップ:隅肉溶接線を通す1/4円孔