安全衛生管理者は次の業務を総括管理しなければならない。
(1) 従業員の危険又は健康障害を防止に関する事。
(2) 従業員の安全又は衛生に関する教育の実施に関する事。
(3) 健康診断の実施、その他健康管理に関する事。
(4) 労働災害の原因調査、及び再発防止対策に関する事。
(5) 労働省令で定める労働災害を防止するための必要な業務。
(6) 安全又は衛生に関する基準の充実と改善の努力。
3. 安全管理者
事業者は労働省令で定める資格を持つ者の中から安全管理者を選任し、安全衛生管理者が行わなければならない総括管理業務のうち、安全にかかわる技術的事項を管理させなければならない。労働省令で定める安全管理者の資格を有するものとは次の者をいう。
(1) 大学又は高等専門学校における理科系を卒業した者で、3年以上の安全業務に従事した経験を有する者。
(2) 高等学校において理科系を卒業した者で、5年以上の安全の業務に従事した経験を有する者。
(3) 労働安全コンサルタント。
(4) 前3項に掲げるもののほか、労働大臣が定める者。
法で定められた安全管理者の選任義務は、常時50人以上の従業員を使用する事業場が対象になっている。
本指導基準においても安全衛生管理者を補佐する意味で、作業管理の実務者の中から労働省令で定める資格を持つ者を選任し、労働安全衛生に準じた組織体制とすることを推奨する。
安全管理者の業務とは次の項目をいう。
(1) 事業所内のガス・粉じん等の有害物質の除去設備、保護具などの管理と運用指導及び改善推進。
(2) アセトン、スチレン等の有機溶剤を取り扱う作業に従事する従業員に取扱いの教育、作業の管理と検査。
(3) 高所作業における作業基準の充実と、足場組立て、手すり及び安全柵の配置のと運用管理。
(4) クレーン、ホイスト、ホークリフト等の動力機械類の作業基準の充実と運用管理、安全教育。
(5) 玉掛け、重量物の移動等の危険作業に対する指揮管理、動力工具の使用安全教育や点検整備状態の管理。
(6) 労働災害の防止と再発防止対策の立案及び教育と実施。
(7) 事業者又は安全衛生管理者の補佐と実務の担当。