日本財団 図書館


069-1.gif069-2.gif

図8 補正因子の変動と補正係数(室温Ta、給気温度Tsc)

 

3.3 NOx排出率計算結果

図9に、給気温度、燃料噴射時期および使用燃料を標準条件のもとで、給気加湿量を変更させた場合の、各テストサイクルのNOx排出率を、また図10に、各テストサイクルの無加湿状態を基準としたときのNOx排出率の変化割合を示す。NOx排出率は、NOx濃度の周囲条件の補正を行い、カーボンバランス法により算出した。(付録(2)、(3)参照) NOx排出率は、無加湿状態において、D2テストサイクルで10.7g/kg、E2テストサイクルで10.4g/kg、E3テストサイクルで11.3g/kgである。20g/kgの加湿では、D2テストサイクルで7.3g/kg,E2テストサイクルで6.8g/kg、E3テストサイクルで7.7g/kgであり、無加湿状態に比べて、NOx排出率は約35%減少する。

 

069-3.gif

図9 給気加湿量とNOx排出率

(単気筒機関燃焼試験)

 

069-4.gif

図10 給気加湿量と相対NOx排出率

(単気筒機関燃焼試験)

 

4. 成果

4.1 まとめ

本調査研究の実施範囲内で下記のことがわかった。

(1) 周囲条件が排出NOx値に与える影響は、特に、絶対湿度と給気温度において、機関および機関の負荷率により差があることを確認した。また、NOx補正因子の中で、絶対湿度がNOx値に与える影響が最も大きい。

(2) 単気筒機関を用いた給気加湿試験で、絶対湿度相当20g/kgの加湿では、D2、E2、E3テストサイクルにおいて、NOx排出率は、約35%減少する。

 

4.2 今後の課題

本調査研究の結果を踏まえ、今後の課題について以下に示す。

(1) 機関諸元の違いに対する補正要素の寄与率の明確化。

(2) NOx低減化技術と燃費率向上技術のトレードオフの関係の克服。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION