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援助」ということが重要であり、「日本はカネさえ出してくれればよい。」ということにならないように、あらゆる工夫をしなければならないであろう。

 

5. おわりに

 

以上、ヴィエトナムでのODAの現場からの経験から、我が国の経済協力の今後の方向性や、今後の経済協力に関する留意点として著者なりに考えたところを以下にまとめると、次のようになる。

(1) 21世紀のわが国の発展のためには、国際協力をより効果的に実施していくことが重要である。

(2) 国際協力の目的の一つとして、「わが国の国際的地位を高めること。」ということがもっと認識されるべきである。

(3) 「わが国の国際的地位を高めること。」を実現するためには、相手国との人的なつながりが重要であり、知的支援を重点的に実施する必要がある。

(4) 知的支援を効果的に実施するためには、

1] その分野に優れた人材をシステマティックに参画させる。

2] 相手国の実態を的確に把握し、ニーズに合わせた協力をする。

3] 相手国に於けるその分野のハイレベルヘアクセスする。また、キーパーソンをつかむ。

4] ODAインフラ整備;国内のしっかりしたバックアップ体制が必要

5] 勝負どころでは戦力を集中投入する。

(5) 国際協力をしっかりやっていくためには、それぞれ分野における専門性を有する人材がしっかりと問題点の所在を見極めることが重要なことが、もっと認識されるべきである。

(6) 国際機関や他のドナーとの協調は重要ではあるが、問題点の所在を見極め、是々非々で我が国の主体性を持って取り組むべきである。

 

 

 

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