6. 観光部門
ペルーへの訪問外国人客は1988年には35.9万人であったが、その後経済不安とテロによる治安の悪化により、1992年には21.7万人まで減少したが、1993年以降治安の回復とともに増加し始め、1996年には47.1万人(内日本人は3万人)に達した。しかし近隣諸国の実績(アルゼンチン300万人、ブラジル150万人、チリ130万人)に遠く及ばず、ペルー政府は観光を、工・鉱業、農業、漁業、と共に4つの重点政策の1つに揚げており、2000年には日本人観光客10万人の構想があった。しかし昨年の12月17日の大使公邸占拠事件の影響で、観光旅行自粛勧告が出された事もあり、日本人観光客は昨年の50%に満たない状態である。しかし総訪問外国人客の数は昨年の8.5%増しが見込まれている。特にヨーロッパ各国の増加が顕著である。
当国に訪れる日本人観光客にとって、宿泊施設の料金の高さに比べその設備の劣悪さ及び中南米一と云われる物価高を大きな不満材料として揚げていることから、今後の対策如何に依っては、まだまだ観光客の増加が見込まれる。
多くの観光資源(自然資源とインカ、プレ・インカに代表される歴史、文化遺産)を有している好条件を、生かすも殺すも政府の舵取り次第である。
* 観光資源の特徴
ペルー観光振興基金「FOPTUR」(FONDO DE PRMOCION TURISTICA DEL PERU)が発行した観光パンフレットの中から、以下について紹介する。
(1) エコツアー
コスタ・シエラ・セルバの、特徴を持つ3つの地形により、世界でも最も豊富な動植物群に恵まれ自然観察の宝庫である。
○ マヌ、チチカカ湖、コルカ渓谷、パラカス、カジェホン・デ・ウアイラス、イキトス
(2) 山歩き(トレッキング)
インカ時代の飛脚“チャスキ”が走った当時と、変わらないインカの道を歩く。
○ クスコのインカ道、コルカ渓谷、マヌ
これらは、3,000〜4,000m級の山々を歩くものであり、2〜9日を要する。
(3) 登山
ペルーはアンデス山脈の中心を成しており6,768mのワスカラン峰を頂点に6,000m級の山が40座も在る。
○ ブランカ山脈、ピルカバンバ山群
(これらの山々は、入山料が不要なことかろペルーからの登山者が多い。)
(4) ビーチ
ペルーの海岸線は1,675マイルもあり、海水浴やサーフィンが楽しめる。
○ プエルト・ピサロ、ブンタ・サル、マンコラ、カポ・ブランコ、チカマ、リマ
(ただし、リマ近郊の海岸は水質が悪く、海水浴には向かない。)