その一方では、JICAのほうでも、当然BOTというのは、中南米の関係とかでは、かなり増えていますので、うちのほうでも今、プロジェクト研究ということで、開発調査の中でどのぐらいBOTに今後生かせるような調査ができるかというような研究も今やっているところでございます。若干今のところは、テンポラリーには、BOTというよりは、ちょっと民間投資が逃げてしまったということもありまして、やっぱり公共投資だというようなこともあると思います。
あと、行政改革の嵐の中で、JICAのほうでも1年以上前から、タスクフォースというのをつくって、JICAがどのようなアプローチをしていくべきかというのを考えています。基本的には、地域別、国別アプローチでやろうというようなことで、一応外務省にも了承されていまして、うまくいけば、来年度予算で。と言っても、後期になると思いますから、おそらく2000年ぐらいから、がらっとこの─今企画部に地域1課、2課、3課というのがあるわけですね、それが大体オーバーセクトラルに、JICA全体の開発調査だけじゃなくて、研修員とか専門家も行っていますけれども、2000年には、地域4部体制にするということになっております。
それで、研修事業部とか派遣事業部はもうなくしてしまうということで、今のところ、地域1部というのがASEAN、地域2部がその他のアジア、地域3部が中南米、それから地域4部がアフリカ等ということです。その中で、地域別、国別アプローチですから、例えば、開発調査をやるにしても、有機的に開発調査をやるのだったら、当然運輸関係のをやるのであれば、国別、特設コースみたいなのを設けて、それとリンクして行うとか。あるいは、地域別ですから、ASEANの、地域総合都市交通みたいなのをやっているときに、もう一遍にASEANの人を呼んでしまって、開発調査の題材を利用して、それでレクチャーするとか、そういった攻め方といいますか、今までは、JICAはほんとうにスキーム別でやっていまして、はっきり申しますと、同じ外務省の技術協力がやっていながら、実際、今までの要請から、派遣と研修の要請時期まで違っていましたね。
そういったことで、今年度は技術協力課所管のカウンターパート研修、それから研修と派遣等、そういったのは、一応要請時期をそろえています。ただ、開発調査はまだちょっとずれているんですけれども。ただ、これは、要請事業をほんとうに一本化、というか、ほんとうにまとめてしまうと、はっきり申しますと、相手方政府というのは、大体窓口機関、インドネシアではバテナスとか、マレーシアはEPUとかありますけれども、人数が少ないんですね。だから、要請事業を一本にまとめると、もう彼らはギブアップというか、一遍にできないということもあるのかもしれませんけれども、ただ、有機的に連携を図る上では、やっぱり五月雨的に来るのでは、こちらが採択してから後でくっつけるなんていうのは難しいので、今のところは、要望時期を統一するというのが出ております。
開発調査については、例年9月末締め切りだったんですけれども、ことしは8月末締め切りにしました。ただし、1カ月ぐらい前倒ししたからといって、もう先方政府は大体サバを読んでいますので、なかなか出てこないんですね。もう今、案件の検討時期に入っていまして、大体20カ国から要請が出てきております。例年ですと、大体1月ぐらいにJICAの案をつくるんですけれども、ことしは早目に12月ぐらいにJICAの案をつくって、外務省、それから関係省庁と協議して、なるべく早く大蔵協議にもっていくと。開発調査の場合は、大蔵協議は中身案件を1件ごと説明しなくちゃならないんです。私もちょっと昔、開発協議会に出向していまして、あほらしいことをやっているわけですね。ほかの技術協力なんていうのは、大体まとめてやるんですけれども、開発調査の場合には、予算要求をするときに具体的な案件がないわけですね。というと、結局、要請が来て、採択してから、この案件やりますと言わなくちゃならないわけです。ですから、ほんとうは、ローリングプランとかいって、もう開発調査はその年だけじゃなくて、二、三年先に越したような案件もとるとか、その辺も考えていかなくてはならないと思うんですね。
開発調査の場合は、今年度、来年度予算の要請として出てきた場合、もし採択されなかったら、要請書をもう一回出さなくてはならないんですね。そうしないと、死んでしまうんです。ところが、無償は、一回出すとずーっとそのまま生きているとか、相手方がそれを勘違いしたりということがあります。それで、今JICAの中で検討しているのは、無償にしろ、開発調査にしろ、やって欲しいプロジェクトというのは、プロジェクトなんですね。それがたまたま、無償から入って、ベーシックデザインかなんかでいくんですけれども、それが出てきて、無償で検討してから、これはちょっと無償のベーシックデザインの1カ月ぐらいじゃできないというので、開発調査に戻したとき、もう一回相手方に要請を出しなさいなんてことをやっています。
ですから、今考えられているのは、もうプロジェクトの要請があったら、それを出してもらって、それをJICAが─JICAがというか、外務省もあれなんですけれども、采配して、むだな時間を使わないで、あんまり─JICAが今使っているコロンボプランに基づいているA1フォーム、専門家、A2・3フォーム、研修員とか、A4フォームというのは機材。あんなの使っている国はどこもないんですね。インドかどこか使っているらしい。あとはもうJICAぐらいなんですね。ああいうフォームをずっと使っているのはどうか、というのもあるんですけれども、ちょっとその辺も踏まえて、JICAを機構改革するということで、もう少し効率化というか・・・・・・。ただ、かなり途上国側に浸透しちゃっていますから、いろいろあるんですけれども、なるべくむだなことは省いてやっていこうということで検討しています。