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こういうようなことで考えておるプランで、そう無理な計画でもなかったように思われます。

引き続いて経済の話をしていきますと、このGDPがどんなふうになっているかというのが表1.6でございます。

農業が44%、工業が17%。工業というのは、繊維の縫製とか、食品の加工とか、木材の加工とか、そういったものでございます。それからサービス産業。こういうGDPに比べまして、雇用は農業が75%ということでございますから、国民のほとんどの人がお百姓さん、工業はほとんどいない、サービスというのは、小さな商売をやっている方などもたくさんおりますから、そういうようなことを含めてやっている、こんなような農業国だというイメージでございます。

それから、後でいろいろお話をしていくのに必要な話になるわけでございますが、表1.7が国家予算について述べてございます。

このGDPのパーセントから米ドルの換算というのは、私がやったので若干の誤差等々の間違いがあるかもしれませんけれども、あらあらの数字としてご理解をいただきますと、歳入、国としての収入でございますけれど、2億8,700万米ドル。大体これで日本円で350億円ぐらいでしょうか、そのくらい。そして、国の収入のうち3分の2ぐらいが税金が入ってくる。税外収入はいろいろなものがあります。

一方、国の支出は4億2,900万米ドル。日本円で大体500億円。ですから、人口1,000万の国でございますけれど、国家予算が全部で500億円くらいしかない。

上の歳入と歳出のところを比較していただきますと、歳出のほうがはるかに多い。どこかからお金をもらってこないとやっていけないというような状態にあるわけであります。どこからもらってくるかというのは後でまた出てまいりますけれど、総合収支としましてマイナス1億4,300万ドル。200億円ぐらいでしょうか。こういったものが外国援助から来るわけでございます。そういう意味で、ほとんど外国援助によって成り立っている国だということであるわけでございます。

一体どんな援助になっているのかというのが次の3ページでございます。表1.8、これが外国援助について書いてあります。

上のほうが多国間、国連でございますとか、世界銀行とか、アジア開発銀行とか、EU、こういったところから、大体2億ドル毎年来ている。

一方、二国間の援助ということになりますと、日本が断トツに多いということがわかります。大きいのが、大体、トータルでいきますと、日本、アメリカ、フランス、オーストラリア、スウェーデンというようなことでございまして、あと幾つかあるんですけれども、日本の援助が圧倒的に多いということがわかるわけでございます。

それから、この国の1つの特徴的なことなんでございますが、その下にNGOと書いてございます。NGOというのは非政府組織でございますから、財政的にそんなに豊かであるところが多いわけではないんですけれど、このカンボディアという国は、世界の中で承認をされていない時期が多かったものですから、NGOの方々がいろいろな意味で援助をしていました。現在でも、そのNGOの援助が金額でもかなり大きいウエートを占めていることがわかります。

そういうようなことで、外国援助はそこにあるような金額でございまして、日本の援助が非常に大きいウエートを占めているということをまずご理解いただいたらいいと思います。

それから、表1.9は、じゃあ、この国は一体経済的にどうやって食っているんだというようなことが、対外資金収支を見ております。当然ながら貿易収支は赤字でございます。どんなものを輸出しているんだといいますと、本初とか、天然ゴムをごく荒く加工したもの。それから繊維製品。97年は、いろいろ政治的影響もありまして若干落ちておりますけれど、繊維の縫製等々が今盛んになりつつあります。こういった輸出、輸入につきましては、輸出の倍ぐらいあるんですけれど、多いのが石油製品です。決して小さくない量が輸入されております。

それで、大事なことなんですけれど、この国は確かに貿易収支は赤字でありますけれど、食料の輸入はそれほどないんです。世界の多くの国、発展途上国、LLDCなどでは、食料の輸入が多くて何ともならない。農業国でありながら食料を輸入しているということでは、国の発展は非常におぼつかない状況なんですが、そういうことではないという意味で、非常に私としては見込みのあるところだなと思っているわけでございます。それが貿易収支でございます。

それから、その下に公的援助というものがありまして、これで1つカバーしている。

もう1つは、資本収支というのが下にありますけれど、海外からの直接投資。これも97年は大きく落ち込んでおりますけれど、いろいろな産業とか投資がございます。

 

 

 

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