総選挙は1999年6月7日、正副大統領を選出する議会は99年10月28日から開くことを暫定的に決めている。順調に行けば99年11月10日に新しい正副大統領が就任する模様。
経済:
アジア通貨危機以後、IMFの指導経済下にあり、政府が介入した対外民間債務の返済猶予交渉や銀行の貸し渋り等難題を抱えつつも、'98年11月に入ってルピアの対ドル為替比率も好転しつつあり最悪の事態は脱しているとみられるが、景気浮上のための積極財政を組める状況になく、国民一人当たりのGDPも急激な低下を示し、失業者の増大も足かせとなっている。
ADBのGDP予測では、98年▲16.0%が99年には▲3.0%としており、大きなマイナス幅の改善が図られると見ている。
1. インドネシア:一般政治・経済・貿易(Source:日本経済新聞のニュースメディア)
(1) 政治:1998年5月のスハルト(前)大統領からハビビ大統領への政権移譲
1998年12月4日現在、インドネシアの来年の総選挙は1999年6月7日に実施し、大統領選挙は8月に実施される模様が報道されている。
インドネシア政情は、1997年後半、タイに始まるアジア通貨危機がインドネシアを直撃、1998年5月には盤石の基盤を誇ったスハルト(前)大統領よりハビビ(現)大統領への政権移譲が行われた。その間、学生・民衆による反抗デモが激化、とりわけ当時の華僑資本の逃避は現在なお回復の兆しはない状況にある。
時点は溯るが、インドネシア国権の最高機関である「国民協議会」の特別会議は、11月12日5つの小委員会が用意した12の正式議案を討議:正副大統領の2期10年の制限、現大統領からの非常大権の剥奪、などを決議している。
規模1万人以上の学生運動は、スハルト時代に選ばれた議員構成である協議会に反発し、治安部隊のセメギ合いをつづけており、流血の事態の報道は今なお絶え間がない。選挙による次期大統領選出を経て、民衆の納得できる政権樹立までインドネシアの政情は今後とも紆余曲折をたどろう。
(2) 経済
1998年10月中旬以降12月に入ってIMF及び世界銀行筋からの相次ぐ発言があり、「アジアの景気は来年前半に底入れし、後半には回復の局面に入る」との見方が示されている。インドネシアについては、98年は大幅なマイナス成長となるものの、暫時マイナス幅が減少すると見られる。