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すくなくとも、市場は価格競争力が必要であり、相手海運は当然にコスト上有利であり、これに対抗するには、安全・環境保全面の充実した適正頻度の海運サービスで勝負せざるを得ない。ともかく、海運市場では自由アクセスの確保がこの場合でも至上命題となろう。

 

〈諸国の海運保護政策〉

1) 法人税の免除:

インドネシアを除き、マレーシア、タイ及び台湾で実施。インドネシアでも免除を検討。

2) 補助金の支給:

マレーシア、タイ及び台湾の3カ国(インドネシアなしとしている)。

3) 政府手配貨物の自国船積みを義務付け:

ASEAN調査対象諸国で共通(台湾は不明)。マレーシアでは、アジア通貨危機以降商社を介した自国船積み誘導政策の強化が報道された。アジア通貨危機以降唯一顕著な海運政策の変化があった国であった。

要すればアジア諸国には、保護規制の強弱差はあっても依然として1960年代の自国船優先(国旗差別)政策が現存し、又はその残滓が残っている。

 

第7節 海事分野の国際協力:

 

我が国と台湾との関係は、開発途上国海運発展に共に協力・協調する関係。

 

(1) 海運専門家派遣の可能性:

1) インドネシア:Sea Communication

2) タイ:OMPC

3) マレーシア:高い民族意識の中での専門家業務は、相当に具体的案件に絞った高度な技術移転でなければ相手方が満足しないものと思われる。

 

(2) JICA開発調査の可能性:

1) インドネシア:内航海運船隊整備にOECF Two Step Loanを直接狙っているが、何らかの事前調査が必要であり、OECF SAPROF調査が事前に行われない場合には、JICA開発調査から入るのが筋と思われる。

2) タイ:沿岸海運M/P調査案件が考えられる。

 

(3) 船員教育:(STCW条約対応)

1) インドネシア:

1] 商船大学の整備は専門家派遣と円借款で充実しつつある。

2] 海員学校にもOECF手続きが進みつつある。

 

 

 

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