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EW3、EW7、EW8についても漸進的整備を提案する。EW7はヴィエトナム、カンボジア国境の再開、EW8は洪水対策が短期的にも重要である。

 

(3) 非物理的障害を軽減する制度づくり

制度づくりの方策としては次の3つがあり、それぞれを有機的に絡めることが、非物理的障害要因を安定的に取り除くことにつながる。

イ) 国際条約の批准: ESCAPの決議48/11では、内陸越境交通処理のための枠組みとなりうる7つの国際条約の批准を求めている。調査対象の4カ国はほとんどまだ批准していないので、国内法制度を適切に整えて批准することが重要である。

ロ) 地域内フレームワーク: アセアン事務局はアセアン地域を対象として、又ESCAPとADBはメコン地域を対象として、それぞれ越境交通円滑化のためのフレームワークを準備している。

ハ) 2国間協定: これまで最も多く用いられてきた方法である。しかし政治情勢により容易に破棄されたり、政治力の強い方に有利である等の欠点がある。

 

(4) 地域内鉄道整備の方針

鉄道の建設には巨額の資金が必要であり、またその運行にも相当なコストが日々かかることより、地域内では十分な交通需要がない限りは安易に鉄道整備を進めるべきではない。本調査では短期的にすみやかに整備すべき区間と、中期的に整備に取り組むべき区間を以下に示す。

<短期的な準備区間>

─ カンボジアのPoipet〜Sisophon間(48km)の修復

─ ラオスのTha Sadat〜Vientiane間(15km)の延伸

<中期的な整備区間>

─ カンボジア・プノンペン〜ヴィエトナム・ホーチミン市間の鉄道未整備区間(240-280km)

 

(5) 地域内港湾の整備方針

調査地域と他地域を結ぶ港湾の候補は15港あり、うち12港はヴィエトナムに位置する。これらの中には、現在なく計画のみの港も含まれるが、全て将来計画では1万重量トン以上の船舶が接岸可能となる。

世界のコンテナー貨物の増加はめざましく、1985年から1995年の間の年平均伸び率は9.2%である。調査地域は貨物のコンテナー化が相対的に遅れており、今後

 

 

 

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