場合は海港、内陸に位置している場合は内陸交通ターミナルをそれぞれ整備する。またこれら都市成長拠点は、域内の空による移動を円滑にするため国際空港を備える。
(6) 域内開発コンセプト(2):内陸交通ネットワークと海上交通ルート
都市成長拠点間の連携を強めるため、従来からの3本の南北軸に加え、8本の東西軸の整備を提案する。また海上交通ルートは港湾が受け入れを想定する船舶サイズにより、地域間幹線ルート、地域内幹線ルート、地域内フィーダールートに分ける。
2.2.3 東西交通軸の開発計画
(1) 開発方針
域内の東西交通軸を経済的効率的に進めるためには、その制約条件を適確に把握するとともに、適切な方針を想定することが求められる。
開発に対する主要な制約条件は、以下の5点である。
イ) 高度差、河川等の物理的な障害
ロ) 越境交通の非効率な処理等、非物理的な、むしろ制度的な障害
ハ) 少数民族の非協力や環境破壊等、社会及び自然環境への懸念
ニ) 限られた現況交通量及び不確実な将来交通量
ホ) 関係国間の十分な調整と同時施工
物理的な障害は、とりわけラオス国内の高度変化とラオス・ヴィエトナム国境付近の高い山脈が深刻である。またメコンデルタの頻繁な洪水も、安定した交通環境の阻害要素である。
非物理的な障害の例として、ヴィエトナム・カンボジア国境の通過交通処理を紹介する。ここでは国境を越えたトラック移動は許されておらず、それぞれの国のゲートの間の緩衝地帯(約300m)を荷役夫が徒歩又は自転車で荷物を運び、別のトラックヘ積み替えなければならない。
東西交通軸整備のための方針は、制度、インフラ、経済開発及び環境保護に分かれるが、それぞれは相互に関連しており、同時に取り組むことが求められる。
(2) 東西交通軸の開発優先順位
本調査で呼ぶところのEW1 (Danang─Sabannakhet─Laem Chabang)とEW2 (Bangkok─Phnom Penh─HCM City─Vung Tau)には、OECF、ADB等の援助機関の支援も明確であり、優先的に整備すべきである。
EW1の他に3本の東西交通軸が集中する中部ヴィエトナム─ラオス─タイ地域は、ADBの調査によると現況越境交通はトラック360台/日である。これが2010年で2,000─3,400台/日と予測されているが、この程度の交通量では一本の道路で量的には十分である。したがって他の路線は各国の経済力の許す範囲で少しづつ整備を進める。