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ここで分かるように"欧州"という冠がついているがために誤解を受けやすいが、カナダ、米国もECEの正式メンバーであり、ここでの審議にはカナダ、米国といった北米も参加していることに留意して欲しい。

 

3.3 貿易手続の簡易化作業からUN/EDIFACTの誕生まで

(a) WP.4における貿易手続簡易化作業

「貿易手続簡易化」について、国連においては次のような定義をしている。すなわち、「貿易手続簡易化とは、貿易のための手続と書類作成処理の組織的合理化をいう、ここに、貿易手続とは、貿易における貨物の移動のために必要とされるデータの収集、提示、通信および処理に係わる諸活動、慣習並びに公的手続をいう」。

JASTPROは、これをさらに具体化して、「手続そのものの簡易化」および「手続遂行事務の合理化、簡素化、すなわち、書類の合理化(廃止、統一、標準化)、ペーパーレス化を目指した電子データ交換(EDI)の標準化(UN/EDIFACTの導入による)と事務の機械化(ADP)」と考え、1974年12月大蔵省、通商産業省および運輸省三省の支援により設立されて以来、UN/ECE/WP.4の動きと歩調を合わせて簡易化作業を進めてきた。

(b) TDI(貿易データ交換)ルールの誕生

貿易データ交換のためのデータ項目やコード、シンタックス規則の標準化を目指して、1976年より英国のSITPROが中心となり、WP.4の下部組織であるGE.1にて作業が進められてきた。その結果が、1979年3月のWP.4会議に報告されたTDI(Trade Data Interchange)ルールである。一方、米国のNCITDからも米国が独自に開発したEDI(Electronic Data Interchange)ルールが発表され、両ルールの何れを国連標準とするか論議されたが、SITPROを中心とする欧州連合の推すTDIをECEの標準とすることが決まり、国連の貿易データ交換指針書(UNTDID:United Nations Trade Data Interchange Directory)として公表されることとなった。

その第1章「貿易データ交換のためのガイドライン(GTDI:Guideline for TDI)」は、

 

 

 

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