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技術的および法的側面からの考察、3]EDENプロジェクトおよびBOLEROプロジェクトに関する最新情報の入手と評価、4]EDI化の普及促進を目的とするセミナーの開催。

 

(1) 流通性書類を中心とする貿易金融EDI化に関する各業界からの評価

本報告書第2章は、「I.流通性書類等貿易金融EDI化に関する各業界からの評価」と「貿易金融EDI化実現のための法的測面からの考察」から構成されている。前者は、1]商社等荷主業界からの評価、2]船社業界からの評価、3]損保業界からの評価、4]銀行業界からの評価、5]港湾業界からの評価の5部門から構成されており、それぞれの業界に属する委員がそれぞれの立場からEDI化のもたらすメリットおよびデメリットについて調査研究を行った。

 

(2) 流通性書類を中心とする貿易金融EDI化実現のための考察

(i) 技術的側面からの考察

企業間情報交換をEDI化するに当たっての技術的要件は、1]効率的なネットワーク、2]標準化されたビジネス・プロトコル、3]取引情報の安全性確保である。EDIは、貿易金融取引のみならず、企業にとって重要な取引情報を当事者間で交換する仕組みであるから、交換されるデータが外部から完全に保護され、かつEDI当事者どうしが信頼しうる技術的基盤がなければならない。この技術的基盤はEDIセキュリティと呼ばれる。本年度は、特にEDIセキュリティを中心とし、業務上のリスクおよびシステム上のリスクに関する調査研究を行った。

(ii)法的側面からの考察

隔地取引形態の物品売買契約では、売買当事者は、通信手段を用いて契約を締結し、運送・保険・金融の3つの主要機関を使用して、物品引渡と代金支払を履行するのであるが、CIF契約はこれらの機関を有効に利用するために作られた取引慣習で、約150年にわたり使用されてきた典型的な貿易契約である。このような貿易契約が、電子商取引でも可能なのか、この場合、船荷証券だけでなく、保険証券、インボイスその他の船積書類のEDI化ならびに為替手形のEDI化をすればよいのかといった問題が生じる。ここでは、国際物品売買契約における流通性船荷証券の役割について考察し、流通性書類の要件、EDI化への取組みの現状および電子式船荷証券に関するCMI規則について調査研究を行った。

 

 

 

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