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(1) 衛星船舶電話

ここでは、NTT移動通信網(NTT-docomo)が提供するデジタル衛星船舶電話(N-STAR)におけるデータ通信について述べる。

N-STARは3600kmの静止軌道上の2機の通信衛星で、日本全土と周辺の200カイリのエリアをサポートしており、この範囲内の衛星が見通せる場所(南に向かって仰角45度)であれば、音声だけでなくFAXやデータ通信、画像情報の伝送などに利用が可能である。

利用形態は、ハンディタイプではなく、平面アンテナを搭載した1.5〜3kgのアタッシュケースのようなサテライトポータブルホンを利用する。

製品の価格はFAXとデータ通信に対応したものが約50万円以下で、月々の基本使用量23,800円、使用料は最低で10円/6秒である。通常の携帯電話の電波が届くエリアでは、その基地局が優先され、料金も携帯のものが適用される。また、データ通信速度は4800bpsである。

なお、従来から一般的に使用されている船舶電話(アナログ式)は、今世紀中には運用停止になると言われており、現在の中継施設では運営費が高いため、沿岸局ではN-STARへの移行を推奨している。

図2-12に衛星船舶電話における利用形態を示す。

 

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図2-12 衛星船舶電話における利用形態

 

 

 

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