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2. 自動車輸送の評価

 

自動車輸送は従来、次のように評価されてきたといえる。

1] インフラ面の指摘

・ 道路インフラが貧弱である。

・ 海上コンテナや大型トラックの走行に耐えられない道路や橋梁が多い。

・ 都市部では自動車、人間、自転車、バイク等が渾然一体となっており、スムースな走行ができない。

・ 地方の場合、特に山間部は蛇行が著しく、街灯等も不備で夜間走行が難しい。

・ インフラの問題に起因して、貨物の「揺れ」が激しく、貨物のダメージが起こりやすい。

2] 業者の問題

・ 計画経済体制の下では「欲しいものが取りに行く」運輸形態が主であったために、「ニーズに応じてサービスを提供し、それにより収入を得る」というサービスマインドを持った企業が少なく、サービス水準が低い。

・ 定時性に乏しくタイムリーな輸送サービスが提供されない。

・ 貨物のトレースができない。

・ 貨物輸送中の安全性(保全)の意識が低い(例えば、シート掛けを行うといった意識が低く、雨濡れ等のリスクがある)。

3] 車両の問題

・ 車両の質が低く、老朽車両や整備不良車が多い。

・ そのため、事故、故障のリスクが高く、スムースな物流サービスに支障を来すことがある。

このような要件から、定時配送やジャスト・イン・タイムといった高付加価値サービスを期待することが難しく、特に長距離になるに従い、輸送の困難性が増加するといわれていた。

 

 

 

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