はじめに
中国とわが国の貿易は、中国の改革、開放政策が始まった78年から、日本企業の中国進出が活発化し、生産の基地作りが進展して以降、年々企業進出は増加の一途を辿り、97年10月現在の日本企業の進出企業数は、上海の489社を筆頭に、北京、広東、南京、大連、天津等大都市を中心に、1,489社を数えている。
これら生産拠点の増加を反映して、日中貿易額は、97年度実績で総額7兆7,400億円の史上最高を記録した。同年のコンテナ輸送量においても、952,000TEUと100万台を窺う勢いを示しており、わが国にとって米国に次ぐ第二の貿易相手国としての重要性は、ますます高まりつつある。
中国政府が96年の全国人民代表者会議において、中国の開発方針を、従来の沿岸重視から内陸重視へと政策転換したのに伴って、物流環境にも大きな変化が見られた。この変化を捉え、これまでの沿岸を中心とした「点」の調査から、沿岸拠点から内陸主要拠点を結ぶ「線」の調査を重点的に行い、会員企業をはじめ荷主及び貿易関連企業に物流事情を提供することを企画し調査を進めた。現地調査は、重慶、成都、鄭州等内陸部の拠点を中心に行い、既刊の中国物流資料には、見られない特色ある情報が収集され、最新の物流事情を取りまとめることができた。
本報告書の作成にあたっては、数多くの方々の献身的なご協力を得て完成することができた。特に現地調査にあたり、貴重な情報をご提供頂いた下記関係者には、深く謝意を表したい。
中国交通部、鉄道部、経貿部、鉄路局(上海、成都、重慶、鄭州)、(株)日新中国部
日本通運(株)海外部中国部グループ
本報告書の調査・編纂作業は、(株)日通総合研究所に依頼した。困難な状況にもかかわらず、辛抱強く作業をすすめて頂いたことに対し感謝を申し上げる。
本書が、フォワーダー業界はもとより、海運、貿易、保険、金融等関連業界に従事する多くの方々にも活用され、広く公益に資することになれば幸いである。
社団法人日本インターナショナル
フレイトフォワーダース協会
NVO委員会