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4] さらに、この抗丼は、この葛根田の若い花崗岩体の周りの接触変成体の部分に水平に近い角度の超密に発達する断裂がある事を明らかにしておりまして、で、この遷移としましては、東北地方に働く広域的なテクトニクスと、特にこれは脆性-塑性境界の部分で強く働くと思われますが、こう言うもので説明できると思いますし、もう1つは、接触変成作用、それ自身、接触変成作用は脱水反応でございますので、これが、1つの脱水フロントの様なものを造っていて、これが、こういった断裂を造って行ったという風に考えられます。

 

(FIG-2)

まず、深部資源調査がなぜ始まったかという事でございますが、これは、ここに今日来ていらっしゃる斉藤さんのダイヤグラムでございます。これは、日本の民間企業が地熱発電所を開発するために掘削した井戸を深さと掘削に着手した年代とでプロットしたものでございます。地熱開発の初期には非常に有望な地域を自由に選ぶ事ができましたので、地熱掘削というのは比較的500mに達しない、あるいは、1000mに達しない浅い深度の井戸でも地熱発電所を造る事ができました。しかしながら。日本の様に人口密度が高く、しかも地熱有望地域の60%以上が国立公園内にあると言われておりますけれど、国立公園は開発する事が出来ません。また、日本の国民性として温泉好きでございますので、至る所に温泉開発敷地がございます。

そういう所はなかなか開発できません。と言うことで、初期には比較的浅い井戸で開発出来たものが、次第にどうしても深い方、より分の悪い所で深い井戸を掘らなければ地熱発電所を造れないという事が、このダイヤグラムから明確に見て取れるかと思います。このニーズを先取りして平成4年度からNEDOが深部地熱資源調査というものを立案したものであります。この深部地熱資源調査に於きましては、例えば4000m級の井戸を掘削して、深部地熱開発の可能性を探るという事が目的になっております。

 

(FIG-3)

場所でございますが、東北日本弧の八幡台火山地帯がございます。その中に葛根田川という渓谷がございますが、ここに葛根田地熱発電所が、既に1978年以来運転されておりますが、その敷地の一部に掘削した、これがWD1-A井であります。

この地域には、ご存知の様に有史に噴火記録を持つ活火山と致しまして、秋田駒ヶ岳、岩手山、そして、秋田焼山という3つの火山がございますし、それから八幡台火山そのものも、少なくとも最近1万年位の間には活動しているという風に考えられております。

 

(FIG-4)

これは、葛根田川沿いの地形を拡大したものでございます。発電所の建物自体は、一号機(1978年以来稼働)がこちらで、二号機がこちらです。PAD云々と書いておりますのは掘削の基地でございまして、WD1-A井は、この掘削基地の中の一番上流側の基地をお借りして実施されました。

 

(FIG-5)

これは、ただ今の葛根田川沿い、同じような地域の図面でございますが、この地域では地熱貯蔵層の水平的な拡がりを見るのに、微小地震が非常に役に立っております。この微小地震というのは、例えば、生産井、あるいは、還元井、こういったものを定期点検の時に止めた時に圧力応答が起こって、そして、微小地震が多数発生する訳ですが、その拡がりは、まさに葛根田地熱地域の地熱貯留層の拡がりにほぼ対応しております。で、全体に沢沿いに延びておりますが、もう少し細かくみると、雁行(エショロン)状に3つ程の集合に分かれております。これは、その断面図でございます。深度方向に見ますと、大体、微小地震が無くなる深度というのはほぼ温度350℃のcontour(等高線)に一致しております。

 

 

 

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