この新しいサイスミックプロファイルによって、地下の地球物理学上のいくつかのパラメータが推定できる。
3] 1560m/s波の選択
新しい音波探査断面図ではいくつかの波が見られる。その中の一つは60°の位相シフトをもち、1560m/sの伝搬速度をもつ。その選択された断面図を図6に示す。左図ではこの波は群速度と分散が補正されている。右図では同じ波が補正無しで示されている。1560m/sの音速から考えて、この波はおそらく水中か、水で飽和した最初の堆積層を伝搬してきた波であろう。エネルギーレベルに関しても浅海の音波伝搬について多くの情報が含まれている。
4] その他の波
図7では2つの波が推定できる。
・ 波Aは非分散性で、音速は3500m/s、
・ 波Bは20°の分散性で、音速は1960m/s。
波Aの説明は容易であるが、波Bに関しては、同じ場所にいくつかの異なる位相シフトをもつ分散性の波があるので注意が必要である。
7. 結論
浅海でのフィールドデータに関して、2つのタイプの音波伝搬を識別した。一つは堆積層中の伝搬で速度分散性を持たない。もう一つは水に層と一部の堆積層から構成される導波路中の伝搬で、分散特性をもつ。これらの2つの場合の、音速の推定方法を示した。結論として、分散の影響がある場合でも、海洋や堆積層による導波路の影響が見積れるなら、堆積層中の音速の推定が可能である。