日本財団 図書館


2] 代表的な操縦のシミュレーション

ビークルは単純な魚雷型の形状であるので、操縦性及び復原性はスタビリティーマージンBG(重心と浮心の垂直距離)の値及びフィンなどの制御翼面の寸法だけで制御することができる。

この2つのパラメータの組み合わせをいくつか変更してコンピュータシミュレーションでテストした。最終的に、復原性と操縦性の両方を満足する値として、BG=0.03m、フィンの表面積を0.285m2を決めた。また、翼形状はNACA0015対称翼を採用した。

ビークルのピッチ角及び水深に対する応答性を図-6に示す。これは、初期速度が2m/sの場合に、水平フィインを10秒間に10°までステップ状に動かした場合のものである。このオープンループシミュレーションで示された若干のオーバーシュートは、シミュレータをクローズドループで動かした場合、制御システムにより簡単に除去することができた。

図-7はビークルが2m/sの速度で航走中に一定の舵角をとった場合の旋回性能を表している。

このシミュレータは上述の制御システムの性能についての検証にも使用された。

 

6. 結論

本稿においては、主要なサブシステムを紹介することにより“SARA”の概要を示すことができた。本稿を通して、航走用ハードウェア並びにそのソフトウェア、構造及び電力等に要求される技術の現状が明らかになった。軽量化及び寸法の最小化に対する必要性がプロジェクトをより複雑なものとするとともに、AUV開発に大きな挑戦を投げ掛けている。そして、最近の2〜3年の間に多くの進歩が遂げられたが、これは、極めて近い将来に十分に活動できるビークルが出現する期待を抱かせるものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION