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に、海洋の問題について世界が一つになって「共生と共働」により研究開発を進めなければならないという点において大いに参加者の共感を呼んだものと思われる。また、10日程後リスボン特別博覧会に協賛して寄港する海洋科学技術センターの調査船「よこすか」と「しんかい6500」の紹介も注意を引いた。(図2.1-2)

引き続き各セッションに分かれて、隣あわせのホテルメリディアン及びリッツに設けられた15のセッションルームにおいて熱心な発表が行われた。論文数は合計398件(ワークショップのものを含む)で、セッション毎に(1)129件、(2)101件、(3)66件、(4)41件、(5)61件であった。(発表論文タイトルは付録-II参照)

その内容は、(1)ライザー、ケーブル、船の運動、TLP、メガフロート、(2)材料の疲労、リスク、腐食、プラットフォームのアセスメント、(3)材料の溶接、破壊メカニズム、チタン溶接など、(4)パイプのデザイン、バックリング、流れなど、(5)大型浮体構造物、波力、水中技術(ROV、AUV)、沿岸構造物などである。

この中で新しい概念としては、「SPAR」という茶筒状の形状をした石油プロダクション浮体で最近注目されてきたもので、このためのワークショップが設けられた程である。SPARとしては、96年にメキシコ湾で水深580mの石油生産プラットフォーム"Neptune"が建造され、さらに同湾で2基計画されているもので、セミサブタイプよりも揺れが少なくコストも増えないとされているもあである。今後、掘削船としても可能性があると言われている。その他では、ロシアが推進しているアルミ合金に関し、大水深アルミニウムライザーの解析例があり、比重が小さいので浮力材が不要で経済的であるとしている。詳細は付録-Iで紹介する。

また、水中工学についてのセッションの一つでは、当センター野本主幹がチェアマンを勤め、同氏のケーブルキンクについての発表、7000mUROV(中条研究員発表)、音響トモグラフィー(中村副主幹発表)の他、仏IFREMER、イタリア・ポルトガルのROV/AUV発表があった。今後とも、科学調査のみならず石油掘削/生産施設のメンテナンスにはROVは重要な手段のはずである。(図2.1-3)

その他当センターにとって関係のあると思われる論文についてその概要を付録-Iで紹介する。

 

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図2.1-2 大庭会長講演風景

 

 

 

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