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NMD-3故障状態;

通常掘削時にNMD-3の故障状態が発生しても、本船は最適ヘッディングを取ることによって位置保持できる。ライザーがBOPと接続されているので、故障が発生するやいなや、位置保持を確実に行うため、掘削作業はスローダウンされる。

スタンバイ状態では、本船は最適ヘッディングのもと規定されたエキスカーションと動力範囲に収まるため位置保持可能である。

これらのシミュレーション計算は、7基のモデルスラスター付き模型船とDPシステムを使ってのMARINでの水槽DPモデルテストにて確認されている。

 

ダウンタイム

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波データー;

これらの船はメキシコ湾内、西アフリカ沖での稼働を含む全世界での操業を想定し設計している。ダウンタイム解析にはGulf of Mexicoはエリア15;'Ocean Wave Statistics'から叉西アフリカ沖用にはELF EXPLORATION ANGOLAからの2つの撒布図が用いられた。

方向分布;

船の全ダウンタイムを検討するためには、GIRASSOL-fieldの方向分布とDPシミュレーションの経験値を使って、相対的波方向毎にウエイト係数を推定した。

ダウンタイムは3つの相対波角度即ち艦から180°、150°、120°の状態にて計算した。

各種操船方向(ヘッディング)を念頭において、次の情況が思考された。

・ 船を波に立てる操船。相対的波角度は主に180度。

・ 波方向が主要素となる場合の最適操船。潮流速がそんなに早くなく、波方向で決まる。相対的波角度は約150°

・ 潮流方向が主要素となる場合の最適操船。潮流速が大きい場合、最適操船方向は潮流方向で決まる。従って1つの固定された相対波角度があるわけではない。

TABLE 4(DOWNTIlME‘Gusto 10000’GIRASSOL)及びTABLE 5(DOWNTIME‘Gusto10000’GULF OF MEXICO)に、2つの地域でのそれら3方向の合計ダウンタイムが示されている。

オペレータ数社との最近の会話として、ダウンタイム/操船性の検討が‘Gusto P-10000’にて西シェトランド海域の条件下で為された。其の結果ダウンタイムは凡そ1%以下であり、船はオリジナルの設計条件より厳しい状態でも満足に作業、操船できることが分った。

 

纏め

‘Gusto10000’型及び‘Gusto P-10000’型は水深10,000ftまでの掘削オペレーションに最適化されたDP船である。

優れた運動及びDP特性を有しており、本質的にダウンタイムを最小化している。

掘削機器の要目は代表的なサブシーウェルプログラムが必要とする容量に沿って選定した。

非生産的な操作時間を減少させるため、デュアルハンドリングの設計思想が設定され織り込まれている。

この型の1番船が目下建造中である。

以上

 

 

 

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