汚染された水はスキマータンクに排出できるように、ドリルフロアー、マッドリターン、パイプラックは分離された排水システムとしている。
上甲板デリック後部には、作井・ワークオーバーライザー用の貯蔵ラックが装備される。これらのライザーはラムプでデリックまで繋がっている後部ドラッグウエーまでデッキクレーンにて搬送される。
デッキクレーン2基(或いは3基)にて本船のクレーンサービスが必要な全てのエリアをカバーできる設計になっている。デッキクレーンの追加装備もできるように、十分なスペースを確保している。
Gusto P-10000の概要/特徴
Gusto 10000型の長期ウエルテストバージョンであり、掘削船に加えていくつかの重要な特徴がある。一旦井戸が完成された暁に、本船はウエルテスト、液体処理(生産)を行うと共に200,000bblの油をも貯蔵することができる。
生産井の維持/改修(ウエルワークオーバー)
本船は如何なる生産井に於ても其の維持/改修活動に適しており、例えばコイルドチュービング、ワイヤーライン等の特別の設備も装備することができる十分なスペースを確保している。
プロダクション;
本船は少なくとも最小一つの海底油井からの油の生産が出来、次の機能を持つことが出来る。
・ 海底孔口のバルブの制御。
・ 生産共用のチョークとキル。
・ 生産井からの一段或いは二段の原油、水、ガスの分離。
・ Export metering including a prover loop(生産量計測装置?)
・ シャトルタンカーへの原油の移送。
本船は上記のごとき設備、機能等を持ち、FPSOとしての政府機関の要求事項も満たしている。
原油貯蔵及び積出し容量;
本船は200,000bbl(31,600m3)の原油貯蔵能力を持つ。これは10,000bbl/日の生産量として20日間に相当する。全ての原油タンクにはサブマージ型ポンプを装備。十時間で荷揚げ完了。
モジュール化のコンセプト;
大きな原油貯油量の確保の関係上、全ての石油掘削、生産設備はモジュールの状態でデッキ上に取り付けられる。掘削や生産設備のモジュールはデリック後部且つ危険区画の関係で上甲板上3メーターの高さに取り付ける。したがって復原性確保の観点から(Gusto 10000型に比べて)船幅は広く、然し長さはいくぶん長め。
復原性と動特性
メキシコ湾内、ブラジル沖、西アフリカ沖での操業に当たってコントラクターの要求事項を織り込んだ代表的なローディングコンディションを基に、船体の復原性と動揺特性に対する最適化を行った。