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Summary

BOPコントロールシステムはほとんどの範囲において十分な量の冗長性を有するように設計された。明確化できないシステムの故障により機器が作動することは望ましくないため、システムの構成要素の継続的な監視が高い信頼性にとって非常に望まれることである。最初の設計哲学は継続的な監視ができることであり、フォールトツリーモデルはそのように構築された。現状の設計では、ハードウェアの限界によりこの哲学は完全には実施できていない。

2組の電子機器の冗長性を有するシステムの設計によりカードやモデムの故障がおきた場合でも安全に作業が継続できるようになった。ポッドにおける故障が発生した場合に作業を継続することはリスクをある程度増大させるものの、この増大したリスクは残りの掘削作業を考慮して評価されるべきである。一組のポッドの電子機器の故障によるリスクの増加は、掘削作業の全期間における場合でも、19%と比較的大きくないことから、このことは決断を左右する懸念事項ではない。しかしながら、2つ目の電子機器が故障した場合、その状況で掘削作業を継続することは、320%と言う非常に大きな割合でリスクを増大させてしまう。

BOPコントロールシステムに対するQRA技法の適用は、システムの総体的信頼性に対して統合された展望を与える。定量的アプローチの結果は、システムの信頼性向上に有効な範囲の順位付けに使用され、構成要素の試験頻度や保守管理スケジュールの最適化に有効である。データの収集及び報告は現時点では幾分希薄ではあるが、解析の結果は将来のデータ収集に関して最も重要な構成要素を明確にするためにも使用できる。

 

References

ANSI/API Spec. 16D-93,“Specification for Control System for Drilling Well Control Equipment”.

ANSI/API RP 16E-90,“Recommended Practice for Design of Control System for Drilling Well Control Equipment”.

Norwegian Petroleum Directorate,“Acts, regulations and provisions for the petroleum activities,”Volume 1, ISBN 82-7257-508-6, Issued April 1, 1997.

 

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表1 フォールトツリー定量化結果

 

 

 

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