【小倉】最後ですが、質問票がひとつ。
「流域や下水道の問題点を指摘されましたが、流域下水道よりも、地域毎に処理をして身近な河川に放流し、その浄化作用を十分に発揮させていく方が、自然の浄化力を有効に利用する、より正しいやり方ではないでしょうか」
私もそう思います。
さて、時間になりましたので、この辺でまとめたいと思います。
パネリストの皆さんには、それぞれの立場から要領よくまとめていただきました。私も全く同じような実感を持っています。
ひとつの自然を調べ、その原因、実態を明らかにしていく。そこで何か困った状況が起こってくれば、解決のための実践活動につなげていく。そういうことが大変重要なのではないか。その実践活動の、一人一人の力は大変小さくても、多くの人が集まれば非常に大きな力にもなっていく。そういう考え方を忘れないでいくことが大事だろう。小さなことでも多くの人がやれば、最終的には非常に大きくなっていく。これが大事だろうと思います。
"Think globally, Act locally"という言葉があります。これは大変よい言葉ではないでしょうか。
Think globally=地球規模で考えて、Act locally=地域で活動する。少し分かりにくいのですが、"Act locally"=「地域で活動すれば、それは地球規模の環境問題につながってくるのだ。地球の問題を解決できるのだ」という視点を忘れないで行動したい。
私も大学で研究・教育をやっていますので、得られた成果をできるだけ分かりやすい形でかえして、市民の方々と一緒になって、これからも陸起源の汚染物質、海洋への汚染を防ぐことに努力したいと思います。