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【米山】どうぞ。

 

【木村】先月、バルト海を船で旅行してきました。バルト海といったら、きれいな海かと思っていましたが、ヘルシンキからエストニアへ船で行ったところ、どこまで行っても汚れているのです。全然、海の青い色がないのです。ですから、かなりあそこは汚染されています。世界で、海の中に捨てているものの量は漁獲高・生産高よりも多いのです。

ニューヨークは、170km離れれば捨てていいところですから、ヘドロを1ヶ月に何回もすごく大きな船で捨てているのです。下水を処理するとヘドロが出ますが、ヘドロの海が世界のあちこちできるだろうと言われています。これを国際的にまだちゃんと取り締まるところまでいっていないのです。これから十分考えていかなければいけない。

おそらく日本などは下水の処理がだんだんひどくなる方向にあります。プラスチックのように腐らないものがあるし、リサイクルできないのです。そういうものがどんどん増えていっています。

ある環境問題に非常に熱心な冒険家が南極とか北極へ行って、アホウドリが自分の子どものために集めた餌の中に人間の使った変なものがものすごくあることを発見しました。その写真を見て非常に驚きました。我々の身の周りにはあまりにも捨てるものが多すぎます。

我々生活する者が、暮らしの中で環境と非常に関わりがあると、もっと強調したいと考えています。

 

【米山】時間が短くて、パネラーの皆さんは言い足りないことがたくさんあると思います。

今朝もそうですが、先月の初めから広瀬川が濁りっ放しで、あれは海に大変な影響を与えているのではないかと思います。たぶん大雨が続けば、森林の伐採が一番大きな原因だと思いますが、大倉ダムにも問題があると聞いております。仙台市のシンボル、広瀬川を何とかしなければいけないのではないかと、私個人の関心はそういうことにあります。

パネラーの方々それぞれの立場から、海を豊かなままで維持していくために、いろいろな工夫とか課題とか指摘がありました。21世紀は人間尊重と環境重視の時代だと言われているようです。黙っていてもそういう時代になるのではなくて、我々一人一人が行動しなくてはいけない。市民レベルで、大葉さんがおっしゃるように、いろいろ頑張らなくてはいけないことがあるのではないかと思います。ここに参加なさっている会場の方々も、未来を担う子どもさんたちと一緒に、環境問題に対していろいろ頑張っていかなければ、海の汚染というのは防げないのではないかと考えます。

 

 

 

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