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ですから、対策が進行すればするほど難しいものだけが残ってくるということになります。ですから、こと有機物だけに関しましては、実はもう陸上で手の打てる部分というのは、窒素とリンを除く操作だけになっています。

それから、今日もお話が出ています環境ホルモンにつきましては、まだデータ等が揃っておりません。一部のもののデータはありますけれども、数多い環境ホルモンと呼ばれるものについてはまだ詳細がよくわからないという状況です。

沿岸域の河口部の機能というのは、今ご覧いただきましたように大きな反応層になっていまして、窒素とリンから有機物を大量に造り出す場でありますし、陸上からのものを沈殿させる場であります。一方、稚子魚を育む場になっておりますし、ときには人間の都合でもって廃棄物を捨てる場所にもなっています。さらに、レクリエーションで楽しむ場所にもなるわけです。

 

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図2.2.3 鉛直混合の違いによる水流、塩分、懸濁物質の堆積地点の分布の違い(楠田)

 

 

 

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