日本財団 図書館



(4)漁業事情
 ペルーの太平洋沿岸、特にエクアドルとの国境附近の沖合は、北からの暖流と南からの寒流が合流しているため、いわし、アンチョビー、さば等の豊富な資源に恵まれた好漁場である。
 水産物は・ペルーにとって鉱物(特に銅、金)に次いで重要な輸出商品である。
 特に魚粉は、水産部門最大の外貨収入源であり、その輸出総額に占める割合は95年が約13%、96年が約14%と極めて高く、ペルーの経済にも大きな影響を与えている。
 特に、魚粉の原料となるアンチョビーの漁獲量の減少は、直ちに対外貿易バランスの悪化となるので、政府は漁業部門に民間投資を積極的に誘致し、また、外国からの投資を促進する政策を打ち出して、漁船の増強、漁業訓練、漁港の整備・近代化等により漁業の開発、振興に努めている。
 また、一方でアンチョビーへの依存度を引き下げるため、他の魚種の漁獲量の拡大にも努め、最近では、底魚、まぐろ、かじき、いか等の商品価値の高い魚種を対象にした操業も行われている。
ペルーの漁獲量は、年々増加傾向にあり、これに伴い輸出額も増加している。

 ペルーの漁船総数は、大小合わせて約1,500隻といわれ、うち100G/T以上の鋼造漁船は、1997年12月末現在、692隻、202,192G/Tで、その平均船齢は22年である。
 漁船保有量は、年々順調に増強されている。
 なお、最近10年間における漁船保有量の推移をみると、次の通りである。

 

前ページ    目次へ 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION