
同社は、チュニジア唯一の国営造船所である。
1991年の造船所拡充計画にもとづき、メンゼルブルギダ港に10,000DWTまでの国内向け船舶の建造設備を新設した。
同社では既に、油タンカー10隻、それら船舶の建造に際して、韓国企業(KoreaMarit-imeConsultantCompany)の技術協力を受けている。
なお、チュニジアの各港(スファックス港、スッス港、ビゼルダ港)において、簡単な船舶修繕が可能である。
(4)漁業事情
チュニジアは、全長1,300?に及ぶ海岸線をもち、漁業は古くから行われているが、漁労技術の未熟、近代漁船の不足などから、沿岸漁業が主体であり、遠洋漁業は行われず漁獲量は少ない。
漁業はスファクス港を中心に行われており、1995年度の漁獲高は83,754トンで、漁獲高の約17%が輸出されている。
チュニジア政府は、90年代に入ってから漁業開発に力を入れており、20の新漁港の開発計画が建設省から出されている。
予算225万ディナールの1992年のメルッシュ漁港の建設計画(沿岸漁船30隻、氷工場の設備)もその一環である。
また、外国からの開発援助としては、サウジアラビアのチュニジア地方開発計画の中で、漁港6港の開発費3.2万ドルの融資が組まれている。
これらの投資、開発にも係らず漁獲高は1988年の102,600トンに比べて減少している。
この要因として、ヨーロッパ市場の価格下落、ガベス港での乱獲による水産資源の減少、過大な投資等があげられている。
なお、漁業会社ではアルジェリア、モーリタニア、イタリアなど外国企業とのジョイントベンチャーに取組んでいる。
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