?-2 合弁造船所
Hyundai and VINASHIN Shipyard Co.,Ltd.(カンホア州)(ナトラン北方55km):この合弁造船所は、95百万米ドルを投じて、第1期工事が現在進行中でる。出資比率は現代重工業が70%、ヴィナシンが30%。造船所関係者は1999年9月の全面稼働開始を見込んでいるが、99年2月にはすでに一部の設備が使用可能になる。
この造船所は400,000DWTまでの修繕船工事、50,000〜80,000DWTの撒積船の新造、海洋石油・ガス資源開発関連の設備の製造を目的としている。ここで新造される船舶はすべて輸出向けである。
現在のところ、合弁事業の両パートナーは総投資規模を約140百万米ドルにまで増額することを決定している。
Asia Star Shipyards(ハイフォン)(ヴィナシン所有のファルン造船所とカナダのモントリオール・タンカーズ・リペア社の合弁事業):この合弁事業は主として10,000〜15,000DWTの船舶の効率的かつ高品質の修繕を目的として、1995年末に発足した。この事業の顧客の40%は外国船主で主としてロシアとキューバの海運会社であるが、デンマーク、ドイツ、シンガポール船の修繕にも対応している。
アジア・スターには自前の従業員も設備もなく、修繕船需要に応じてファルン造船所の従業員と設備を下請契約で利用する。アジア・スターは納期厳守の定評があることから、顧客はファルン造船所に直接発注するよりも20〜30%割高の修繕料金を惜しまず、アジア・スターに発注する。それでもシンガポールの修繕費と比較すれば、アジア・スターの料金は10〜15%低い。ファルン造船所は現在能力30,000DWTの乾ドックの新設を予定しているが、これも完成の暁にはアジア・スターが契約により利用できる。
Keppel Ba Son Shipyard(ホーチミン市)(バソン造船所(ベトナムの艦艇建造所)とシンガポールのケッペル造船所の合弁事業):この合弁事業は最近操業を開始、15,000DWTまでの船舶の修繕が可能。アジア・スターと同様、この事業も自前の従業員、設備がなく、修繕船需要に応じてバソン造船所の従業員と設備を下請契約で利用する。
最大の顧客の1社が、石油・ガス事業用船舶を運用するベトナム企業PTSC。ケッペル・バソンとバソン造船所で、PTSCの13隻から成る船隊の保守管理を一手に引き受けている。
ケッペルはシンガポール最大級の造船所で、業界関係者は、同社の順調な経営状況からして、ベトナム国内の修繕ヤードの強力な競合相手になるものと見ている。
The Vietnam Korea Demolition Old Ship and Rolling Steel
Joint Venture Company(VISKO Ltd.Co.)(ハイフォン)(韓国のSeyang
Globus Inc.Co.とヴィナシンの合弁事業):この合弁事業は1994年に免許を取得した。資本金は2百万米ドル、韓国側パートナーが60%を出資した。同社の主な事業活動は以下の通り。
・国内・輸入老朽船の解撤
・通常船舶およびバージの修繕・改造・新造
・スクラップ鋼材の切削と圧延
・老朽船と造船所の中古機器の輸出入
・スクラップ鋼材、切削・圧延鋼材、バージの輸出入
Baican Shipping Company(BASCO)(ハイフォン)(ロシアのACFFSとヴィナシンの合弁事業):資本金5百万米ドル、うち60%をロシア側パートナーが保有する。
BASCOは修繕船と貨客輸送の免許を受けている。
Sayarship(ホーチミン市)(ロシアのヤロスラフ造船会社とホーチミン市の水上機械社第3号との合弁事業):資本金6.9百万米ドルで1992年に免許を取得、ロシア側パートナーが50%を出資している。サヤ−シップはトロール漁船の新造・修繕を行う。
国防省造船所(Song Thu Company)(ダナン)(エルフとの合弁事業):この大規模造船所は国防省が運営している多数の造船所の一つで、すでに二つの合弁事業に係わっている。一つはフランスのエルフ社との提携で炊事用ガス・ボンベを生産し、もう一つはドイツ企業と提携してコンテナを製造している。
?-3 100%外資の造船所
Saigon Shipyard Ltd.(ホーチミン市):1996年後半に免許を取得したサイゴン造船所は資本金15百万米ドルの大企業。出資者のエシアン・テクニカル・マリタイム・サービス社はマン島に本拠を置く企業。サイゴン造船所の事業種目は外航船の新造、鉄鋼構造物や産業用パイプラインの製造と据付け、圧力容器の製造、据付け、保守管理と多岐にわたっている。