タ イ
タイ造船業
? 序論
現在、タイの商船隊は主として一般貨物船、コンテナ船、タンカーなどの外航船229隻から成り、その総積載能力2,777,952DWTに及ぶが、この規模は近隣ASEAN諸国と比較していまだ小さいと考えられている。1997年の全海上荷動きは約1,190億トンで、そのほぼ10%をタイ船隊が輸送した。この巨大市場でのタイ商船隊のシェアを高めるためには、新造船と既存船の修繕を行なう効率的で、コスト・パフォーマンスの高い造船・修繕船産業が必要とされる。タイ造船業は内航・外航海運を支える不可欠な要素であるばかりでなく、国の歳入と雇用機会の創出にも大きく寄与するものとして重視されている。タイの造船・修繕船産業は一部の船種については建造が可能で、修繕能力はさらに多種類の船舶に及ぶが、海運業界からの需要増大に応じて量的、質的にその能力を高め、近代化を図るためにはさらに改善を必要とする。
? 造船業の現状
?-1 造船所の現況
1997年に行なわれた調査の結果によると、タイ国内の造船所数は約164に上る。タイの造船企業の規模は他の先進諸国と比較してあまり大きくない。
第1表

注:()内の数値は資本金データの資料がない企業数を示す。