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 さらに、1998年、1999年納期の新造船の受注がある。1998年9月現在、内航航路向けに合計総トン数8,630GTの船舶33隻が国内で建造される予定である。1998年、1999年には、輸出船受注も見込まれている。両年中に、Tsuneishi Shipyard(Cebu),Inc.で平均トン数30,000GTの撒積船9隻の建造が予定されている。第6表に1998年、1999年納期の新造船受注隻数とトン数を示す。

 

第6表 船種別1998年―1999年国内建造予定船の隻数と合計トン数

出所:MARINA造船監督局

 

?-2 修繕船部門

 修繕船はフィリピンの造船所の活動の中心をなす。国内で修繕船、その他の入渠工事が活発に行われている主な原因は、多数の船舶が国内貿易に携わり、また東アジア地域で海上輸送が増加していることにある。国内の全造船所が、50DWTから300,OOODWTまでの船舶を受入可能な入渠設備を保有している。法律により、また安全上の理由から、国内貿易と漁業に携わる船舶は、国内の造船所に入渠し、MARINAのような政府機関の検査を受けなければならない。1997年成立のフィリピン海運法令(PMMRR)に基づき、客船は毎年、その他の船種は2年ごとに入渠検査を受けなければならない。船級を取得した船舶は例外でなく、当該船級協会が定めるスケジュールに従う。国内の船舶の総数のうち13%が毎年、87%が2年ごとの入渠検査を義務づけらている。法定の入渠工事の他にも、海運各社独自の船舶管理計画による開放検査、改造、船種転換工事、調整等の受注もある。しかし、すべての船舶が、スケジュール通りに国内の造船所に入渠したり、修繕を受けるわけではない。一部の造船所、特に大型の設備を具えた造船所では、外国船や国内の大型船の乾ドック入渠や修理で、能力に余裕がなくなっている。さらに、自社船、主として遠洋漁業活動に携わる船舶の修繕その他の入渠工事用に、自社設備を保有している企業もある。その他の船舶の入渠ニーズの応じられるのは、残る少数に過ぎず、その大半は小型船の保守、修繕に特化している。現在では、入渠待ちの期間が2ヵ月にも及んでいる。1996-1997年に国内で修繕、その他入渠工事の対象となった船舶の隻数と平均総トン数の比較を、第5図と第6図にそれぞれ示す。

 

 

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