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? 舶用工業の現状及び課題

 

?-1 舶用工業の現状(図?-1〜-3、表?-1参照)

 我が国舶用工業は、784事業所、35千人の従業員により構成され、ディーゼル機関、発電器、ぎ装品、航海計器等多様な舶用工業製品を生産し、船主・造船所に対して安定的に製品を供給しており、その生産動向、輸出入動向は以下のとおりである。

 

(1)生産動向

 我が国舶用工業製品の総生産額は、新造船建造需要の増加に伴って1987年以降増加しその後、円高等の影響により1993年以降は横ばい傾向が続いた。その後、外航船建造量の回復に伴い、1997年の総生産額は前年比8.9%増の8,637億円と大幅な増加に転じた。(ただしドルベースでみると、円下落の影響により前年比2.1%減の71.4億ドルにとどまる)。これは、大型ディーゼル機関をはじめとした外航船向けの舶用機器の生産及び船外機の輸出が好調だった一方、製品価格、特にドルベースでの価格の下落が大きかったためである。
 品目別生産シェアは、舶用内燃機関(舶用ディーゼル機関、火花点火機関、船外機等)が30.7%を占め、次いで、部分品・付属品(ディーゼル機関用等)が23.7%、艤装品(弁・管継手、救命・消防機器等)が13.8%、舶用補助機械(発電器、ポンプ等)が9.4%、航海用機器(レーダー、通信機器等)が8.6%、係船・荷役機械が7.3%、軸系及びプロペラが4.6%となっている。

 

(2)輸出入状況

 1997年の舶用工業製品の輸出額は、1,859億円(前年比23.5%増)と前年より大幅な増加となった(ドルベースでは15.4億、前年比11.1%増)。なお、輸出額の生産額に占める割合は全体では、21.5%と前年より2.6ポイント増加した。また、船外機、航海計器のように輸出比率が、それぞれ89.9%、58.5%と高い品目もある。
 品目別シェアは、舶用内燃機関50.0%、部分品・付属品18.1%、航海用機器16.0%、補助機械6.0%の順となっている。また、仕向地別では、アジア40.8%、北アメリカ24.1%、欧州22.7%の順となっている。
 一方、造船事業者による輸入額は、217億円(前年比20.8%増、ドルベースでは1.8億ドル、前年比9.0%増)で、これは国内需要の3.1%に相当する額であり、品目別シェアは、ぎ装品36.2%、補助機械20.4%、舶用内燃機関19.1%の順となっている。

 

 

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