議 事 概 要
第22回アジア太平洋造船専門家本会議は1998年11月16から17日まで、フィリピン共和国セブ市のシャングリラ・マクタン・アイランド・リゾートホテルにおいて開催された。本会議には下記の各国から、合計76名が参加した。
?議長選出
主催国の海事産業庁造船監督局長ロドルフォ・リョブレーラ氏が参加各国の代表団を歓迎、紹介した。日本の運輸省海上技術安全局舶用工業課長釣谷康氏が第22回アジア太平洋造船専門家会議の開会を宣言し、議長選出の司会を務めた。フィリピン造船工業会会長マヌエル・サンドバル氏が議長に選出された。
マヌエル・サンドバル氏はAPSEM'98の議長選出について、各国代表に対し心からなる謝意を表明した。議長は、今年度のAPSEMは前回までの会議と一味違うものになると述べた。第1に、運輸通信大臣が昼食の際、一同に加わり、基調演説を行う。大臣の出席は政府が自国の造船・修繕船産業を支援する意欲のあらわれであると議長は述べた。第2に、会議の最後に、通常は行われないワークショップが開催される。最後に、一部のAPSEM参加国から提案されている常設APSEM事務局の設置が、正式議事の終了後に討議される。提案されているAPSEM事務局は、この地域における情報センターとして機能するものである。議長はまた、この事務局が設置されれば、従来の会議と造船所見学にとどまるのではなく、APSEMに実質的な意義を加えることになると述べた。
?基調演説
運輸通信大臣ビセンテ・リベラ・Jr.氏が昼食の間に基調演説を行った。この演説の中で、リベラ大臣は、APSEMが発足以来、日本財団の援助のもとに開催されてきたこと、造船業に影響を及ぼす諸問題に関する意見と経験の交流を通じて、アジア太平洋圏における造船分野の官民の専門家を結集しようとするAPSEMの意欲を、フィリピンが常に支持してきたことを指摘した。大臣はまた、フィリピン国内でいくつかの合弁造船事業が成立していることに触れた。フィリピンは地理的条件に恵まれ、管理者・熟練労働者の調達が可能で、また運輸通信基盤が確立していることから、投資家を引き付けることができた。この実績にかんがみ、大臣は地域内からさらに合弁事業のパートナーを迎えたいと述べた。
?議事と討議の要旨
参加各国の代表は、自国内の造船および関連産業の現状について、それぞれカントリー・リポートを発表した。1国のプレゼンテーションが終るごとに質疑が行われた。