? 一般従属栄養細菌
細菌類への効果の指標として、一般従属栄養細菌の結果を以下に示す。
図?.2−10には、一般従属栄養細菌の変化を示した。 なお、分析結果は、巻末の資料;1.8に収録した。
細菌類は、増殖および分解のスピードが非常に速く、その数量は時間および環境の微妙な違いで大きく変化する。 本実験の結果においても、その特性が表れており、原水よりも処理した海水において数が多いデータが存在するのは、同じ場所,ほぼ同じ時間に採水した海水でも水質に若干違いがあることと、採水から実験開始まで最短でも1日経過したことで、その間の増殖環境が異なったためと考えられる。 また、細菌類の大きさは、多孔質炭素電極の開孔径100μmに対して、1μm前後と極めて微小であり、プランクトンと異なり電極への接触機会が少ないことも影響していると考えられる。
以上のことから、一般従属栄養細菌の検討は、原水に対する比較を行わず、電位印加の有無、処理直後と1日後の変化程度を主体に行う。
電位印加の有無では、全てのケースで印加した場合の方で少なく効果が認められ、約10秒以上では、約50%〜100%近くとなる。
また、注目すべき点は、処理直後と1日後の変化で、印加無しの場合には1日後に増殖しているケースが見られるのに対し、印加有りの場合には全てのケースで同程度か減少していることである。
したがって、細菌類に対する電位印加の効果は、電解槽内滞留時間約2秒程度でも増殖を抑制することと考えられる。
図?.2−10 一般従属栄養細菌の変化