日本財団 図書館


c 種別細胞数等

 植物プランクトン(種別細胞数等)の分析結果は、巻末の資料;1.4に、その変化集計表は、資料;1.5に収録した。

 

(a) 有殻渦鞭毛藻

 図?.2−6(1),(2)には、鹿島港海水の有殻渦鞭毛藻の変化、図?.2−6(3),(4)には、大阪南港海水の有殻渦鞭毛藻の変化を示した。
 有殻渦鞭毛藻は、有毒プランクトン Alexandrium 属が所属するグループである。
 鹿島港海水の結果は、次のようにまとめられる。
 細胞数は、ほとんどの実験ケースにおいて原水よりも電位印加無し、印加無しよりも印加有りで少なくなっている。 これは、電解槽を通過するだけで一部の細胞が多孔質炭素電極に付着・吸着し、さらに、印加することで一部の細胞が破壊されることを示している。 また、細胞の付着・吸着量は、電解槽内の滞留時間が短い(流速が速い)ほど多く、クロロフィルaおよび浮遊物質の傾向と同じである。
 印加による細胞の損傷は、破壊されずに電解槽を通過した細胞においても、装置滞留時間約2秒の処理直後から表れ、約2秒の滞留時間でも1日経過するとほぼ100%となる。 滞留時間約10秒では、処理直後で100%となる。 また、全ての滞留時間において、処理直後よりも1日後の方が、細胞が少なく、損傷率が高く、損傷程度が大きくなっていることから、一度受けた損傷は回復せずに、時間経過とともに大きくなると考えられる。
 大阪南港海水の結果も、基本的には鹿島港と同様であり、滞留時間10秒の処理直後からほぼ100%の損傷が表れている。

 

図?.2−6(1)  有殻渦鞭毛藻の変化(鹿島港,処理直後)

 

 

前ページ    目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION