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数値予報への利用

 散乱計のデータは、数値予報の精度向上にも期待されています。数値予報には、天気予報を「迅速」かつ「正確」に行うという2つの使命が課せられています。「迅速」にという要求に対して即時利用が可能な散乱計データは実用的です。
 一方「正確」な予報を行うには今ある大気の状態を正確に解析することが重要となります。この点においても、散乱計データの品質は実用上問題がありません。気象庁の数値予報課では「みどり」とERSの散乱計データを数値予報に利用できないか調査してきました。そしてこれらのデータの使用が、予報精度を上げるのに効果があることが明らかになりました。
 この効果は、海が広がっているために、気象観測所などによる既存の観測データが少ない南半球で大きく、この領域での予報精度を大きく向上させることが確認されました。
 私たちが住む北半球の予報に関しても、既存の観測データが多いにもかかわらず、予報成績を上げることが確認されました。この結果に基づき、現在も運用が続いているERSの散乱計データを、数値予報で利用することが計画されています。

今後のマイクロ波散乱計

 今後も、散乱計を搭載した衛星の打ち上げが計画されています。アメリカは、今年11月に衛星クィックスキャットの打ち上げを計画しています。また日本も、2000年ごろに「みどり」の後継機を打ち上げることを計画しています。そして、それらが観測するデータは「みどり」やERSの両散乱計データよりも高品質かつ広範囲となる見込みで、さらなる利用効果が期待されています。



横浜港でカッターレース
                   大健闘の日海防クルー

 5月17日の朝は気まぐれ梅雨前線の激しい雨音が窓越しに聞こえて来る。ダメカナ?
 午前7時30分ラジオのスイッチを入れると、「第15回記念大会横浜港カッターレースは予定通り行われます。……」
 さあ朝飯だ!残念ながら練習時に痛めたギックリ腰は完治していない。「しかし俺は行くぜ」
 会場に着いたころには雨も上がり、予選第1レースが開始されていた。
 選手、監督が集合しており、応援団そして昼弁当に場所取りまで準備OKである。気合いを入れて乗艇し、スタート位置に向かい漕ぎ出していく。
 「第3コース、マリンブルー21日本海難防止協会の創立40周年を記念しての初出場です。チーム名は美しい青い空と海から“マリンブルー21”」用意!!「前ェー」「イチ、ニー、サン、シー、そりゃ、1、2、3」 4段引きに3段引きのスタートダッシュである。年はとっても昔とったきねずか、さすがオールはそろってる。ブレードが力強く水をつかむ。回頭に1番早く入ったが、やや大まわりか。
 「マリンブルー21が1位です」とアナウンスされる。「サアー、ダッシュ行こう」と艇指揮、「ガンバッテー」と艇長(女性)、「サアー、行こうぜ」とストロークが叫ぶ、「サァー、こい」とクルーが吠える。
 雲間より漏れる初夏の光がうららかに一艇一心のクルーの額で輝く。ダッシュがかかる。ピッチがあがる、そのまま1着でゴールヘ。
 「櫂たて!」誇らしげに上陸し応援団のもとへ。思いがけない感激で即祝盃。
 予選の中の1着艇のタイムレースなので、準決勝、決勝へと進めませんでしたがマリンブルーの願いを込めた楽しい1日でした。

(=計盛 幸雄記)

 

 

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