11 海上災害防止センター(法第6章の2)
海上災害防止センターは、海上防災のための措置を実施する業務を行うとともに、海上防災のための措置に必要な船舶、機械器具及び資材の保有、海上防災のための措置に関する訓練等の業務並びに海上災害の防止に関する国際協力の推進に資する業務を行うことにより、人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的として運輸大臣の認可を得て昭和51年10月1日に設立され次の業務を行っている。
(1) 海上災害防止センターの業務(法42の36)
主な業務は、次のとおりである。
イ. 海上保安庁長官の指示を受けて排出特定油の防除のための措置を実施すること。
ロ. 船舶所有者等の委託を受けて海上防災のための措置を実施すること。
(昭和62年4月より排出された有害液体物質等の防除措置についても実施)
ハ. 海上防災に必要な油回収船、オイルフェンスその他の船舶、機械器具及び資材を保有し、これらを船舶所有者その他の者の利用に供すること。
二. 海上防災に関する訓練を行うこと。
ホ. 海上防災に関する調査研究を行うこと。
へ. 海上防災のための措置に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
ト. 船舶所有者その他の者の委託により、海上防災のための措置に関する指導及び助言を行うこと。
チ. 海外における海上防災のための措置に関する指導及び助言、海外からの研修員に対する海上防災のための措置に関する訓練の実施その他海上災害の防止に関する国際協力の推進に資する業務を行うこと。
なお、排出油の防除措置等の業務概要は120〜121頁の図に示すとおりである。
(2) 海上保安庁長官のセンターに対する指示(法42の37)
海上保安庁長官は、排出特定油の防除のための措置を講ずる必要がある場合で、船舶所有者等がその措置を講じていないと認められる時又は船舶所有者等に対しその措置をとることを命ずるいとまがない場合においては、海上災害防止センターに対し、その措置をとることを指示することができる。
(3) センターの措置に要した費用の負担(法42の38)
海上災害防止センターは、イ.に基づき講じた防除措置に要した費用を海上保安庁長官の承認を受けて船舶所有者等に負担させることができる。