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? 平成10年の旅客航路事業における旅客船事故発生状況

平成11年1月22日

運輸省海上交通局国内旅客課

 

 平成10年に発生した旅客船の事故は、船舶海難37件(前年比3件減、以下前年比。)、車両事故3件(4件減)、その他の事故7件(1件増)、これらに伴う人身事故19件72名(4件増、44名増)であった。
人身事故については、船舶海難によるものが10件63名(死亡、行方不明者なし)、車両事故によるものが3件3名(死亡、行方不明者なし)、その他の事故によるものが6件6名(死亡、行方不明者なし)で、平成9年に比べ負傷者の数が増加した。

 

1 船舶海難の発生状況(資料1〜2参照)

 平成10年には、船舶海難が37件(3件減)発生した。その内訳は、船舶との衝突12件(4件増)、岸壁等との衝突7件(1件減)、乗揚げ5件(1件増)、機関故障7件(8件減)、転覆1件(1件増)、推進器障害1件(増減なし)等となっており、これらの事故に伴う人身事故は、10件63名(5件増、45名増)であった。
 船舶の種類別では、純旅客船によるものが21件(1件増)、カーフェリーによるものが16件(4件減)で、このうち、超高速船・高速船によるものは17件(3件減)であった。
 超高速船・高速船による船舶海難の内訳は、船舶との衝突3件(2件増)、岸壁等との衝突2件(増減なし)、乗揚げ4件(1件増)、機関故障4件(8件減)、推進器障害1件(1件増)、その他3件であった。
 船舶海難について、種類別に分析した結果は次のとおりである。

 

(1)船舶との衝突

 平成10年には、船舶との衝突が12件(4件増)〔うち純旅客船同士の衝突及びカーフェリー同士の衝突各1件を含む〕発生した。船種別では、純旅客船5件(3件増)、カーフェリー7件(1件増)で、このうち超高速船・高速船によるものは3件(2件増)であった。船舶との衝突による負傷者は20名であった。
 発生海域別では、大阪湾を含む瀬戸内海で7件(1件増)発生しており、輻輳海域(東京湾、伊勢湾を含む。平成10年は当該地域での事故なし)での事故は全体の59%であった。
 原因別としては、操船不適切10件、見張り不十分が4件〔純旅客船同士の衝突及びカーフェリー同士の衝突各1件を含むため、原因の合計は14件となり、事故件数12件と異なる〕で、いずれも人為的ミスであった。

 

(2)岸壁等との衝突

 平成10年には、岸壁等との衝突が7件(1件減)発生した。船種別では、純旅客船3件(増減なし)、カーフェリー4件(1件減)で、このうち超高速船・高速船によるものは2件(増減なし)であった。岸壁等との衝突による負傷者は37名であった。
 原因別では、操船不適切が5件、機関故障及び荒天対応不適切が各1件であった。

 

(3)乗揚げ

 平成10年には、乗揚げが5件(1件増)発生した。船種別では、純旅客船4件(増減なし)、カーフェリー1件(1件増)で、このうち超高速船・高速船によるものは4件(1件増)であった。また、乗揚げによる負傷者はなかった。
 原因別では、5件全てが操船不適切で、いずれも人為的ミスであった。

 

(4)機関故障

 平成10年には、機関故障が7件(8件減)発生した。船種別では、純旅客船4件(3件減)、カーフェリー3件(5件減)で、このうち超高速船・高速船によるものは4件(8件減)であった。また、機関故障による負傷者はなかった。

 

(5)推進器障害

 平成10年には、推進器障害が1件(増減なし)発生した。船種別では、純旅客船1件(増減なし)、カーフェリー0件(増減なし)で、このうち超高速船・高速船によるものは1件(1件増)であった。また、推進器障害による負傷者はなかった。
 b原因としては、不詳が1件であった。

 

(6)転覆、火災、浸水、その他

 平成10年には、転覆が1件(増減なし)、その他が4件(1件増)で、このうち超高速船・高速船によるものは3件(1件増)であった。また、これらの事故による負傷者は6名であった。
 原因別としては、乗客に対する注意喚起不適切が2件、操船不適切、自過失及びスクリューへのロープの巻き付きが各1件であった。

 

 

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