日本財団 図書館


? 安全運航調査確認報告の総括

 

 平成10年度海難防止・海洋汚染防止の周知宣伝事業(海難防止訪船指導)の安全運航調査確認報告書を長・中距離フェリーおよび短距離フェリーに区分して次のとおりまとめた。
 なお、項目分けした「長・中距離フェリー」「短距離フェリー」の船社名等は次のとおりである

[長・中距離フェリー]

東日本フェリー(青森〜函館)、名門大洋フェリー(大阪南港〜新門司)、広別汽船(呉〜広島〜別府)、折田汽船(鹿児島〜屋久島)、小笠原海運(東京→父島)、マリンエキスプレス(川崎〜宮崎)

[短距離フェリー]

ざまみそん座間味村(とまり泊〜あか阿嘉〜ざまみ座間味)、久米島フェリー(とまり泊〜まどまり真泊〜となき渡名喜)、瀬戸内海汽船(宇品〜呉〜高浜〜三津浜)、熊本フェリー(熊本〜島原)、丸中金華山汽船(鮎川〜金華山)、石崎汽船(宇品〜呉〜高浜〜三津浜)

 

1.運航管理規程、運航基準および作業基準の遵守状況について

 

(1)長・中距離フェリー

イ.(青森〜函館)

 運航管理規程および各規準の遵守は良好であった。また、高速フェリー運航マニュアルも別に作成してあり、良く整備されている。

ロ.(大阪南港〜新門司)

 運航管理規程、運航基準、作業基準は概ね良く遵守されていた。作業基準について、車両積載図として船内電源使用車両を船橋内黒板に表示してあり、船内点検時に異常があればドライバーに直接通報するとのことで、ドライバーの車両甲板への立ち入りを禁じていた。

ハ.(呉〜広島〜別府)

 運航管理規程等の諸規定は、細部にわたって定められており、遵守されている。

ニ.(鹿児島〜屋久島)

 『フェリー屋久島2』は、平成5年(1993年)4月から就航し、鹿児島と屋久島を結び、生活物資や生産物の輸送手段として、また島民や観光客の足として重要な役割を担う貨客船兼自動車渡船である。船長や運航管理者をはじめ乗組員の安全運航に対する意識レベルは高く、運航管理規程および諸基準の遵守状況と船内諸設備の整備状況は極めて良好である。

ホ.(東京→父島)

 運航管理規程は、適宜改正を行い、また、必要な社内規定を設けて遵守されていた。運航基準、作業基準も遵守されており、特に郵便・旅客手荷物の荷役は一等航海士の指揮により慎重に行われていた。

ヘ.(川崎〜宮崎)

 気象・海象に関する運航中止条件は妥当である。過去一年間の欠航状況から見ても(台風によるもの10回、冬季の荒天によるもの2回)、遵守状況は良好と判断される。車両の積載・陸揚げ、車止め・固縛装置等の取り付けも作業基準通り行われていた。巡視制度(船員法施行規則)については、当直交代時に規定通り実施・記録されていた。

 

 

前ページ    目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION