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6.4.3 データ解析

デジタルカメラで撮影したステレオ画像を基に、岸壁全体の3次元の測量データ(形状数値データおよびオルソ画像(変位修正画像)データ)を作成する。

この処理は、基本的に専用の画像計測ソフトウェアをベースに構築される。

また、気中部の3次元計測データと、超音波測深機より得られた水中部のデータについて、データが得られない部分(主に海面近くの水中部)のデータを補完しつつ、両方のデータをつなぎ合わせ、連続した物体としてデータを作成し、保存する。

以下に、それぞれの処理の概略について述べる。

 

(1) 気中部形状データの取得

調査時に取得されたステレオ画像データを、それぞれ画像計測ソフトウェアによってデータ化し、シャッターを切った時点でのカメラの位置を基にして、岸壁全体の形状データを構築する。

システム側では、デジタルカメラによる画像取得時に、シャッターを切ったという情報がコンピューターの時間のタイムタグを付けて保存される。

後処理の段階でHYPACKに記録されているGPS、動揺計測装置等の値から、撮影時のデジタルカメラの位置を算出するもので、この時のカメラ位置算出方法は、HYPACKの内部処理と同じ処理を用いる。これは、非同期で入ってくるGPSや動揺センサからのデータを内部的に直線補間や、スプライン補間などで時間的に連続した値に変換し、この値を各時刻で使用するものである。

 

(2) 水中部計測データの取得

ナローマルチビーム超音波測深機を用いて計測された水中部の3次元計測データは、HYPACKを用いて別処理される。そこでは、計測データにフィルタをかけるエラーデータの削除、いわゆる“ゴミ取り”を行い、一度加工したデータを基にTINモデル(不規則三角モデル:Triangulated Irregular Network models)を作成し、立体モデルを構築し、最終的にGPSの位置データを基にx、y、z座標データとして保存される。

 

(3) データフュージョン

超音波測深機より得られた水中部のデータについては、海面からの音波の反射の影響により、海面以下のデータがおよそ2m程度に渡って取得できないため、海面近くの水中部のデータが得られない。

そこで、気中部の3次元計測データと、水中部の3次元データのつなぎ合わせ、いわゆる「データフュージョン」はが必要となる。

気中部のデータも計測時のカメラの位置を基に座標データ化されるため、「データフュージョン」は、両者の座標位置をあわせて、相互のデータを補完しつつ、両方のデータをつなぎ合わせ、連続した物体としてデータを作成する。

 

 

 

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