(4) 揺れない浮体構造物の設計法基礎検討
水槽実験結果及び理論検討結果を基に、揺れない浮体構造物の設計法構築のための基礎検討を行った。設計マニュアルは、基本設計マニュアルとし、減揺検討チャート、減揺装置検討チャートを作成しておき、揺れない浮体構造物の基本計画に役立つものとする。また、シミュレーションともリンクさせ、ビジュアルに効果を確認できるようなシステムの構築を目指すこととする。
本年度の研究成果として、浮体の単体の動揺でROLL方向の加速度を30gal 以下に抑える揺れない浮体構造物のアイデアの水槽実験を行い、その効果を検証した。次年度には、本年度までの成果を基に、揺れない浮体構造物の設計手法及びその効果を目で確認できるシミュレーションの構築に取り組む予定であるが、特に設計マニュアルについては、その目的を明らかにするとともに、分かり易く、かつ、使い易いものとすることに配慮する所存である。
これらの研究をとおし、安全で快適な揺れない浮体構造物の実現に向け、より一層の努力をしていきたいと考える。
最後になりましたが、本年度の研究は、前年度の成果を水槽試験により検証するとともに、揺れない浮体構造物の設計のためのデータを取得するという非常に重要な課題を持った内容であった。委員会においては、活発な御意見・御助言をいただき、大変熱心に御指導していただきました。高木委員長をはじめとする各委員の方々に厚くお礼申し上げます。